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四十話 ページ43






また適当な理由をでっち上げて話せば怪訝そうな視線を前後から向けられるけれど知らないふりをしておく。

何とか全部の質問に答えきった…偉いよ私。

お爺さんは私の解答を何かの紙にメモすると、私の後ろに黙ってずっと立っているクザンさんに視線を移した。



「クザン。この子は何処で保護を?」

「シャボンディ諸島の外れだ。海賊に誘拐されてた所を見つけたんだが、近くに親らしき人は無し。ここに来るまでに情報も一切入らねェ。コイツの保護者見つけんのは難しいだろうなァ」

「なるほど…となると、一旦こちらで保護という形になるかと。お嬢ちゃんはそれで大丈夫かい?」

「え?いや、そんな急に言われても…」



黙って二人の話を聞いていたらいつの間にか保護される話になっていた件について。

正直に言うと私は別に構わない。ただ一つ問題があるとするならば、赤髪海賊団の所に戻れなくなる点だ。…訂正、正確に言うと戻るづらくなるが正しいだろう。


私はシャンクスが怖い。ウタ以外の船員(クルー)が怖い。それは紛れもない事実だ。

けど、ここまで育ててくれた恩がある。
いくらその手紙血に汚れていたとしても、あの時、発見した時海に放り投げる選択もあったはずの私達を娘として船に乗せてくれた恩がある。


それなのに何も言わずに勝手に居なくなるのは、少し申し訳ないと感じた。

…でも。



「…だいじょうぶ」


ここで断れば私はどうなるのだろう。保護を拒否すれば、この建物を追い出されて捨てられるのだろうか。


怖い。一人になるのが怖い。捨てられるのが怖い。置いていかれるのが怖い。見放されるのが怖い。――死が怖い。

私は無力だ。一人じゃ何も出来ない。私はウタのお姉ちゃんだけど………お姉ちゃんでも、一人は寂しい。



「んじゃ、あとは頼んだ」

「え、」



考え込んでいる間に大人の話が終わったのか、クザンさんは私に目もくれずに踵を返して医務室から出て行こうとする。


置いていかれる。
誰も助けてくれず、見向きもされず、一人ぼっちだった私を海賊から助けてくれたのはクザンさんなのに。

嫌がる私を半強制的にここ(・・)に連れてきたのはクザンさんなのに。

海賊の娘である私を知らなかったとはいえ海軍本部(ここ)に連れてきたのはクザンさんなのに。


置いていかれる。一人にさせられる。

――……捨てられる?



「っ、!」

「あ、おいっ」



気が付けばクザンさんの足元にしがみついていた。

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マシロ_mashiro(プロフ) - 太陽さん» コメントありがとうございますm(*_ _)m 大学生活も落ち着いてきたのでまた書き始めました。ゆっくりではありますが更新頑張ります! (4月12日 9時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - ぴよラムネさん» コメントありがとうございます!こちら白ひげ海賊団ルートとはまた一味違った海軍ルートとなっております。なるべく早く更新出来るよう頑張ります! (4月12日 9時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよラムネ(プロフ) - コメント失礼しますー!私を見て欲しかったを読みたくなって探してたらこの作品に出会いました!!別ルートがあったなんて…!更新頑張ってください!続き楽しみにしてます!! (4月12日 0時) (レス) id: 4c4725f70b (このIDを非表示/違反報告)
太陽(プロフ) - 更新されてる!!めっちゃ待ってました(●´ω`●)更新がんばってください! (4月12日 0時) (レス) @page36 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - シアナさん» コメントありがとうございます!大変お待たせしてしまってすみません。ストックが少ないので前より更新ペースは落ちますが、これからも本作品をよろしくお願いします(*´▽`*) (4月11日 21時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2023年9月3日 16時

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