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三十二話 ページ35







「――」



ぼんやりとした意識の中、ゆっくりと目を開ける。

直前までの記憶があやふやで、思い出すように記憶の糸を手繰り寄せ、そこでやっと海兵さんに助けられたことを思い出した。


目を擦りながら体を起こせば、そこは医務室だった。

けど、ここはレッドフォース号じゃない。私が今寝かされているベッドの位置も、部屋の構造も、物も、何もかもが記憶と食い違っている。


それだけでは無い。

ここは、船の上ですらないのだ。
何年も日常のように経験していた、あの特有の波の揺れが全く感じられない。

それが意味するのは、ここは陸だということだ。



「…ぁ」



どれだけ寝ていたのだろう。

独り言をつぶやこうと口を開くが、喉が掠れて上手く音にならない。辺りをキョロキョロと見渡しては見るものの飲み物の類は見当たらないので、喉を湿すのは諦めることにする。


となると私が出来るのは状況整理だけで、少なくとも先日のような海賊に襲われることは無いだろうと判断し、大人しくベッドに横たわって他のことを考える。


例えばそう…シャンクス達の事とか。

あの時から何時間経ったのかは分からないけれど、シャンクスやウタが異常だと思うのはまず間違いないだろう。
となると、赤髪海賊団が私を探しているは自明の理だ。


けど、私は今ここにいる。
海賊に攫われて海兵さんに助けられたあの場所じゃない。

私が気絶した後どうなったのかは分からないけど、恐らく私はあの海兵さんに保護されたんだと思う。

ということは、ここは海軍の施設の可能性が高いということで、そんな所に私がいると流石のシャンクスも思わないだろうし、見つけるのはほぼ不可能だろう。


――帰らないといけない。


そんな考えが頭をよぎる。
だってそうじゃない。海兵に保護されたままだと赤髪海賊団に戻ることなんて不可能なんだから。



『─ ─ギィァあ゛あ゛ァ゛ッッ!?』



「――ッ!」



……本当に、そうなのだろうか?

三十三話→←三十一話☆



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マシロ_mashiro(プロフ) - 太陽さん» コメントありがとうございますm(*_ _)m 大学生活も落ち着いてきたのでまた書き始めました。ゆっくりではありますが更新頑張ります! (4月12日 9時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - ぴよラムネさん» コメントありがとうございます!こちら白ひげ海賊団ルートとはまた一味違った海軍ルートとなっております。なるべく早く更新出来るよう頑張ります! (4月12日 9時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよラムネ(プロフ) - コメント失礼しますー!私を見て欲しかったを読みたくなって探してたらこの作品に出会いました!!別ルートがあったなんて…!更新頑張ってください!続き楽しみにしてます!! (4月12日 0時) (レス) id: 4c4725f70b (このIDを非表示/違反報告)
太陽(プロフ) - 更新されてる!!めっちゃ待ってました(●´ω`●)更新がんばってください! (4月12日 0時) (レス) @page36 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - シアナさん» コメントありがとうございます!大変お待たせしてしまってすみません。ストックが少ないので前より更新ペースは落ちますが、これからも本作品をよろしくお願いします(*´▽`*) (4月11日 21時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2023年9月3日 16時

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