二十五話 ページ28
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「………っ、う」
暗い、暗い部屋だった。何処か廃墟になった建物なのか辺りは静まり返っていて、身じろぎをする度に音が空間に響く。
…ここは、一体どこなんだろう。確か私…あの後急に眠くなって、それで_
目を覚ましたばかりで未だに鈍い頭を動かしながら、必死に状況整理をしていく。直前の記憶を思い出し、現状分かる情報と紐付けて、理解を増やしていく。
けれど、私を誘拐した犯人はそんな猶予すら与えてくれないようだった。
「よォ、起きたか」
「……」
「さて、と。顔を見られる訳にはいかねェからなァ。おい、あれ持ってこい!」
相手は私を誘拐した張本人で間違いないだろう。
そう結論付け、顔を上げようとした瞬間頭を床に押し付けられる。突然の痛みにうめき声を漏らし、男の手から逃れようと抵抗する。
「おっと、暴れるんじゃねェぞ。じゃねェと…こうだ」
抵抗すればどうなるのか、見せつけるように男は誰もいない方向に向かって発砲する。
至近距離での発砲音にびくりと肩を震わせ、咄嗟に耳を塞ごうとして……否、塞げなかった。私の両手両足は縄で縛られていて、ほとんど身動きを取ることも出来ない。
大人しくなった私を見て、男は満足したように笑う。仲間が持ってきた布を受け取ると恐らく邪魔だったのだろう、首にかけていたイヤーマフを奪い去るとその辺に放り捨て、その布で私の目を覆うように縛った。
当然私の視界は暗闇に包まれ、ほとんど何も分からなくなる。
怖い、怖いよ…誰か助けて…。
シャンクスとウタは今頃どうしているだろうか。流石に買い物は終わってるだろうし、私が居ないことに気づいて慌ててるのかな。多分、探してくれてるとは思うけど、私を見つけてくれるかな…。
これから私はどうなるんだろう。
酷い事をされるかもしれない。下手すれば殺されるかもしれない。
「おいおめェら、この餓鬼どうしてやろうか」
「
「いや、いっその事俺らの船で扱き使うのも良いんじゃないっスか?」
「ギャハハハ!! そりゃあ良い!」
「……っ」
「船長!お話の最中すみません」
私の処遇について彼らが話していると、下っ端らしき人が突然声を上げた。
「あァ?んだよ」
「実は自分、その娘が…その、‘‘赤髪’’のシャンクスと共にいるのを見まして…」
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マシロ_mashiro(プロフ) - 太陽さん» コメントありがとうございますm(*_ _)m 大学生活も落ち着いてきたのでまた書き始めました。ゆっくりではありますが更新頑張ります! (4月12日 9時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - ぴよラムネさん» コメントありがとうございます!こちら白ひげ海賊団ルートとはまた一味違った海軍ルートとなっております。なるべく早く更新出来るよう頑張ります! (4月12日 9時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよラムネ(プロフ) - コメント失礼しますー!私を見て欲しかったを読みたくなって探してたらこの作品に出会いました!!別ルートがあったなんて…!更新頑張ってください!続き楽しみにしてます!! (4月12日 0時) (レス) id: 4c4725f70b (このIDを非表示/違反報告)
太陽(プロフ) - 更新されてる!!めっちゃ待ってました(●´ω`●)更新がんばってください! (4月12日 0時) (レス) @page36 id: 18ff82607c (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - シアナさん» コメントありがとうございます!大変お待たせしてしまってすみません。ストックが少ないので前より更新ペースは落ちますが、これからも本作品をよろしくお願いします(*´▽`*) (4月11日 21時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:
作成日時:2023年9月3日 16時