たったそれだけで良かった【クザン】

八話 ページ11

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｢シャンクス、次は何処に行くの？｣

｢お、ウタか。次は東の海(イーストブルー)に向かう為にシャボンディ諸島を経由する予定だ｣

｢あのシャボン玉が沢山の島？私、あの島綺麗で好き！｣



次の目的地を尋ねるウタと、それに答えるシャンクス。
私は二人の会話を聞きながら読書、もとい文字の勉強を続けていた。


平仮名しか使われない内容も子供向けな簡単な童謡なら読めるようになってきたから、そろそろ漢字やアルファベットにも取り組みたいなぁ…お小遣いでも貯めて子供向けの教科書を購入しようかな。



｢何処か寄りたい場所でもあるか？｣

｢私ね、遊園地に行きたい！｣

｢シャボンディパークか。よし、なら連れてってやろう！｣

｢やった！シャンクスありがとう！！｣



シャボンディ諸島なら大きなモールもあるだろうし、そこで買うのもありかな。中古なら500ベリー程度だし、それぐらいならルウやホンゴウの手伝いで十分そう。



｢Aは何か欲しいものあるか？｣



シャボンディ諸島に着くまで何日あるんだろう。時間が無いなら無いで効率的に稼がなきゃ行けないしなぁ…



｢おーい、A？｣



となるとまずは｢もう〜Aってば！シャンクスが話しかけてるでしょ！？｣



｢…ウタ？ごめん、ちょっと考え事してた。どうしたの？｣

｢シャンクスが‘‘何か欲しい物はあるか？’’って聞いてるの｣

｢えっ｣



いつの間にそんな話になっていたんだろう。いや、そんな事は今はどうでもいい。

ウタの話が本当ならシャンクスは欲しい物を何でも買ってくれるということ。なら、わざわざお小遣いを貯めずとも勉強用の本を買うことができるんじゃ…


本当に何でも良いのか確かめるようにシャンクスへ視線を移すと、何でも来い！と言いたげな表情でこくりと頷く。これは肯定だ。



｢なら、本がいいな｣

｢本？｣

｢うん。出来れば勉学用の｣



ウタは｢えぇー、本当にそんなので良いの？｣と少々ガッカリしているけれど、今回に限ってはぬいぐるみやアクセサリーよりも教材の方が良い。



(本…本か。……本？今どきの女の子はそういうものを欲しがるのか？…ダメだ、女はともかく子供は全く分からん…！)

(本って、変なの。せっかくなんだからぬいぐるみとか買ってもらえばいいのに。Aの事だから絵本じゃないんだろうし、興味なーし)

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