2.白ひげさん家のマインクラフター

六十五話 ページ29

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｢謝らないでください。むしろ私はサッチさんに感謝してるんです｣

｢…俺に？｣

｢はい。最後の方は記憶が朧気なんですが、ティーチさんを蹴り飛ばしてましたよね？実は私、ティーチさんの何らかの力で能力を無効化されてたみたいで、下手したらリスポーン機能が消えて本当の意味で死んでたかもしれないんです｣

｢…っ｣

｢あ、そういう意味じゃなくてですね！サッチが最後ああしてくれたから私は生きてるんです。だからサッチさんも私の命の恩人、ありがとうございます。…そして、生きててくれてありがとう｣



サッチさんが気負う必要は全くない。


確かに死ぬのは怖いし痛いのも嫌だけど、そんな事よりもサッチさんが死んでしまう方がずっと怖かった。


あの時は自分よりもサッチさんを助ける方が大切で、サッチさんに生きて欲しかったから私はティーチさんに立ち向かった。


ただそれだけの話。
私はあの時の行動を後悔してないし、これからもしない。



｢ホットミルク、ありがとうございました。やっぱりサッチさんの作る物は何でも美味しいですね！｣

｢…A本当に｢次｣ ｣

｢次、そういう事言おうとしたら……マルコさんに頼んでサッチさんの仕事倍にして貰いますね！｣

｢はぁ！？何でそこでマルコが出てくるんだよ！？｣

｢え？だってサッチさん結構書類の提出がギリギリだったり遅れたりするってマルコさんが以前ぼやいていたので。罰ゲーム｣



べー、と舌を出して早速マルコさんの部屋へ突撃しようとする私をサッチさんは慌てて肩を掴んで制止し、｢分かった！分かったからそれだけは勘弁してくれぇ！｣と叫んだ所でとりあえず一旦は辞めてやる事にした。



(うんうん、やっぱりサッチさんはいつもみたいに感情豊かな方が似合うね)

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