六十六話☆ ページ32
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彼らは非常に喜んだ。もう二度と会うこともないと思っていた愛娘に、形はどうであれ再会出来たのだ。これを喜ばずしてどうする。
しかし、それと同時に……このまま会いに行っても良いのか、葛藤した。
自分達は、ウタの為と言って無理やりエレジアに残し出航したのだ。何度も名前を呼び、どうしてと泣き喚く娘を無視して、決して振り返らぬように…。
恨まれていたとしてもおかしくない。そうだ、会う資格など無いのだ。だというのに目の前の娘は目にいっぱいの涙を溜めて、屈託のない笑みで何度も名前を呼ぶのだ。会いたかった、と。
シャンクスはどうするべきか分からず悩んでしまった。
刹那
「だから言ったでしょ?あの人達お馬鹿さんだから困惑するだけだって」
「だね。大人しく会いに来てくれれば私も怒らなかったのに。後でお仕置しなきゃ」
これまた此処に…いや彼女は居てもおかしくないか。だがウタと一緒に居るはずがない人物の声が聞こえ、瞬間再び困惑するシャンクスの体に見覚えのあるリボンが巻きついた。
そして彼女は反省など微塵もしていない謝罪を全く悪びれずに叫んだ。
「すみませーん!!ちょっと赤髪の馬鹿お借りしまーす!!!後で返却するんでちょっと待っててください!!」
「A!?!?」
「流石A、そのままこっちに引きずり込んじゃえ!」
どこにそんな力があるのか、グイッとリボンを引っ張られたシャンクスはその勢いのまま彼女達のいる船へと落下して行った。
「…どうする?」
「放っておけ、久しぶりの再会だ。親子水入らずで話させてやれ」
恐らくウタはエレジアの事実…つまりあの国を滅ぼしたのはシャンクスでは無くウタで、あのトットムジカを歌ったのが原因だという事を知らないのであろう。
それをどう説明するのかは知らないが、話すも話さないも全てはシャンクス次第。なるようになれと珍しくヤケになるベックマンであった。
余談だが、船に引きずり込まれる直前のシャンクスは抵抗が無駄だと悟った瞬間冷や汗がダラダラ出ていたとか何とか…
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マシロ_mashiro(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!やっぱり仲違いしたままは後味が悪いですもんね。最後までご愛読ありがとうございました(*´▽`*) (5月8日 7時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - コメント失礼します! 一気読みしてしまいました。最終的にそれぞれの、気持ちを話し合って和解できて良かったなって思いました。とても、面白かったです!! (5月7日 23時) (レス) @page50 id: 18462604da (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 文ストオタクの一般人さん» 過保護になりすぎないように執筆していたはずなのにいつの間にか…妄想って怖いですね笑、どんどん拡がっちゃいます。ご愛読ありがとうございました! (2023年3月14日 16時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 皆過保護だけどマルコがwwめっちゃ良かった!、、、です! (2023年3月14日 8時) (レス) @page47 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 桔梗さん» そう言っていただけると執筆したかいがありました!最後までお付き合い頂きありがとうございます!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:
作成日時:2023年1月7日 15時