【第五人格】【鬼滅の刃】電車に乗っただけなのに

十一話 ページ14

美智子と猗窩座の戦いが始まる中、一方ナワーブは注射器を片手に炭治郎の元へ駆け寄っていた


｢おい竈門、無事か？｣

｢あ、貴方はさっきの人…俺は無事です。でも煉獄さんが…！それに女性の方が割り込んでいって｣

｢美智子なら大丈夫だ。それよりもお前の傷をさっさと治すぞ｣


そう言うとナワーブは鎮静剤の入った注射器を炭治郎の腕に注射する。本来鎮静剤は麻酔の効果しかないが、サバイバーが使う鎮静剤の効果は違った


(傷が…治っていく)


彼らが扱う鎮静剤は荘園側の人間によって用意された特注品、ダウンしている人間を動ける程度まで回復させることなど造作もない

しかし、本来ナワーブが持っているはずのアイテムは肘当てのみ。鎮静剤を持っているサバイバーはエミリーだが本人は荘園にいて、他の三人は彼ら固有のアイテムを持っているため鎮静剤を持つことすらできない

では何故鎮静剤を持っているのか、どうやって手にしたのか。それは数分前に遡る



｢美智子、聞き間違いでなければ先程『サバイバーのアイテムを多く持っている』と言っていなかったか？｣

｢あぁ、そのことやね。荘園のバグでここに飛ばされた時にうちの地面に落ちとったんや。とは言ってもナワーブさん以外は使えないから意味はないかもしれんけどね｣


そう言って美智子は自分が持っていたアイテムをナワーブに全て渡していく。鎮静剤・地図・肘当て・香水・懐中時計・ボール・操縦機・ステッキ・工具箱・絵本・懐中電灯・信号銃。全てマルチの場合に箱から出るアイテムだった


｢これも荘園の力なのかもね。まぁありがたく使わせてもらおうか｣

｢そうだね。これで戦術の幅が広がった。こちらにも対抗手段が出来たのは喜ばしいこと、とりあえず全部ナワーブに持たせて作戦を考えよう…｣


多くのアイテムを手にしたサバイバーは作戦を立てていく。毎日終わりのないゲームを繰り返している彼らにとって、その場で状況を瞬時に判断し戦術を組み立てることなど朝飯前なため、あっという間に作戦を考えることが出来てしまった


｢よし…目指すは完全勝利だ。最低でも全員生存、良いな｣



｢竈門、もう動けるか？｣

｢あ、はいっ動けます。でも貴方達は一体…｣

｢悪いな、それを話すことは出来ねぇ。ま、一応味方だから安心しろよな｣


その後ナワーブはもう一度鎮静剤を注射し、炭治郎の傷を完全に治したあと美智子の元へ入っていってしまった

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