【第五人格】【鬼滅の刃】電車に乗っただけなのに

九話 ページ12

一方鬼殺隊である炭治郎もまた、美智子やサバイバーと同じように猗窩座と杏寿郎の戦う姿をただただ見ていることしか出来なかった

炭治郎も杏寿郎と同じ鬼殺隊の一員であるなら本来猗窩座と戦わなければならないのだが、それが出来ない理由が大きく分けて二つあった

一つ目は下弦の鬼の中で壱に位置する魘夢を倒すため一番前の車両に行った際、交換条件により魘夢に従っていた人間…車掌に錐で刺されてしまったこと
魘夢の体の一部で出来た錐は、炭治郎がまともに動くことが出来ないほどのダメージを与えた

二つ目は圧倒的な実力差である。炭治郎や伊之助の階級は一番下の癸 みずのとであり、それに対して相手は上弦の鬼。九人いる柱の中でも上位の実力を持つ杏寿郎でさえも苦戦を強いられているのだ、二人が加勢しても足でまといになってしまう


(動け…煉獄さんを助けないと…！)


しかし分かっていても助けたいのが炭治郎だ。痛む腹を抑えなんとか立ち上がり、無限列車が横転した時にどこかへ落としてしまった日輪刀を探そうとする


｢動くな！傷が開いたら致命傷になるぞ！待機命令！！｣


こんな死闘の中でも仲間に目をやることが出来るのは流石柱と言うしか出来ないだろう。杏寿郎もまた非常に仲間思いのため、炭治郎の行動を許すわけもなく待機命令を出す。柱の命令は絶対、どんな状況でもそれは変わらない


｢弱者に構うな杏寿郎！全力を出せ、俺に集中しろ！！｣

｢炎の呼吸 伍ノ型｣


杏寿郎は烈火の猛虎を生み出すが如く刀を大きく振るい、咬みつくかのように猗窩座を斬りつける。そして猗窩座もまた、杏寿郎を仕留める為に技を繰り出す


｢破壊殺・乱式!!｣

｢炎虎!!｣


二つの技がぶつかり合い辺り一面が土煙に包まれる
その刹那、何者かの影が人間とは思えないスピードで煙の中へ突っ込んで行く。しかしそれに誰も気づくことは無かった


｢勝ったか！？倒したのか！？｣

｢煉獄さん…｣


杏寿郎は猗窩座に左肩から右下にかけて大きな傷を与えていた。がしかし相手は上弦、頸を切らなければこんな傷も一瞬で治ってしまう
一方杏寿郎は左目を損傷し、肋骨は折れ、内蔵も傷ついてしまった。…否、本来ならそうなるはずだった


｢なっ…｣

十話→←パクリでは？と思ってる方へ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す