【第五人格】推し達と再会しました

二十三話 ページ26

｢結果オーライ…か。珍しいね、ヘレナがそういう言葉を使うなんて｣

｢実はかなり前の事なんですけど、とある試合でウィリアムさんがタックルミスをしてダウンしちゃったんです。最終的に勝ったんですけど…｣




『もう、ウィリアムさんは無茶しすぎなの!』

『そうだぜ、ホームランもされるしなー』

『なんだよお前ら、別にいいじゃんか勝ったんだし。結果オーライってやつだよ。な!』

『…』





｢って言うことがあって…私もその通りだと思ったんです。途中がどうであれ、最終的にハッピーエンドだったらそれで良いんじゃないかって｣


やっぱり少し恥ずかしかったのか、ヘレナは頬を赤らめて目を少し逸らし、ぽつりぽつりとウィリアムのエピソードを話してくれた


｢そっか…確かにそういう考えもあるんだね。…ありがとうヘレナ、なんか元気でたよ｣

｢ふふ、良かったです｣


ヘレナのおかげで元気が出たところだし、私はヘレナ以外の他の皆…ナワーブ達にも会いに行こうかな
そう思い席を立ち上がろうとしたその時

ぐいっ

再びヘレナに腕を掴まれる…いや、服の裾を掴まれると言った方が正しいのかもしれない


｢もう行っちゃうんですか？｣

｢あ…えっと…｣


ヤバい…どうやって断ろうかとあわあわしていると、ヘレナは寂しそうな目、そして困ったように眉を下げてボソッとこう呟いた


｢……せっかく会えたのに｣

｢ぜひ一緒にいさせて頂きます｣


こうして荘園暮らし四日目は一日中ヘレナと過ごすことで終わってしまった
と言っても、ナワーブとヘレナとイライとエマとソフィアの五人に私のことを話すという目的は既に完了してしまった

よって残りの三日ほ自由に過ごして良いということ
…待て


｢最高じゃんか！｣


だったら明日から皆と一緒に過ごそう！
よく良く考えればゲームのキャラと過ごせるなんて普通はありえないんだから、しかも推し…！


｢後は楽しむしかない！｣

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