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これが取引き相手とするならば、初夏を感じる強い日差しというだろう。

5月下旬はこんなにも暑かったのか、それともこれは近年の気候変動のせいか…
湿度はないものの陽光が容赦なく肌に降り注ぐ。

自分はアイドルだから、体が資本である以上日焼けは避けていかなければならない。

あいにく日焼け止めを忘れてしまったから最悪だ。


今日は2週間後にあるラジオの打ち合わせがあり、秀越学園から出て隣町にやって来た。
そして今は学園に戻るための迎えを待っているところだ。

打ち合わせ場所が狭い路地の中にあるということから、少し歩いたところにある駅で待ち合わせをしている。

しかしその車は帰宅の時間と丸被りしたせいか渋滞にハマり、到着が遅れるとのこと。

駅前でただずっと突っ立って待つわけには…

車の現在地から計算してあと30分近くはかかるだろう。


どこかカフェにでも行こうかと思いスマホから目を離すと、前を歩く女子高生4人組が目に入った。

何かを話しているようだが、1人何か嫌がっている。

よく聞こえないが、これは俗にいう“いじめ”だろうか。
何ともまぁ女子とは怖いものだ。


そうこう考えているうちにその1人を残して3人はどこかへ行ってしまい、1人残された子は地面をただひたすら眺めていた。

可哀想なんて赤の他人に情けをかけるほど自分は優しくない。
自分は最低野郎だ。


やることはいっぱいあるし、暇でもない。

赤の他人に構う時間は一切ないのだ。



そうして歩き出そうとした瞬間だった。



〜♪〜♫




まるで天使が舞い降りたような慈愛に満ちた歌声…

どこか怯えているような、でも芯のある優しい歌声だ。


道行く人はみな足を止めて
その歌声に魅了され、歌に合わせて拍手をする。

そんな人たちと同じように俺も惹かれて……




気がついた頃には




「初めまして!突然失礼いたします!
自分、このような者でありまして!!!」


これが運命なのだろうか。

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作者名:はーちゃも | 作成日時:2023年7月4日 1時

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