八尺様9 ページ10
ぽぽぽ、ぽぽっ、ぽ…
「面白い、てか…?…舐めんな、よ?」
瞬間、勇ましい咆哮と共に放たれた白銀色の光が、八尺様の身体を貫いた。
その向こうには、獣の姿に戻った銀零が鬣を靡かせて立っていた。
ぼ、ぼっ、ぼぼ…
「ぐっ…!」
八尺様の声が微妙に変化を見せる。
身体の真ん中に開けられた風穴は銀零の霊力が燃え続けており、そこから大量の妖気が噴出した。
髪に捕まっていた私は、その妖気をまともに浴びる事になる。
無事な方の手で脱出しようにも、上手くいかない。
「わっ…!」
鳴り響いた銃声に、身体を拘束していた髪が切られ、私の身体が地面に落ちた。
しかし、痛みは来ない。
「大丈夫かい?Aちゃん」
「太宰さん…!」
「A、無事か!?」
「血が出ているな、この腕…骨を折られたのか」
地面に落下した私の身体は、太宰さんによって受け止められた。
織田作とアンドレはお説教オーラを出している。
これで終わりと行きたいが、しっかり留めを刺しておかねば。
「太宰さん、下ろして。…最後の仕上げ。…ごめんね、銀零。あと少しだけ、頑張って」
銀零は、さっきので殆どの霊力を使ってしまった。
『獅子王・銀零』
刃に私の霊力を纏わせて補正する。
殆どの霊力が抜け出て、干からびてしまった彼女を見据えた。
折れた手は使えない。利き手じゃないけど、上手くできるだろうか。
『百鬼を退け、凶災を祓わん!』
言霊で更に補正をかけ、彼女を切り裂く。
ぼ、ぼぼ…
最後に聞こえたのは彼女の悲鳴だったのか。
銀零によって浄化された八尺様は、黒い塵となって月夜に消えた。
「は、はぁ…、よし、終わった…。中原さん、に、早く…教えて、あげないと…」
「A!酷い汗だぞ」
あれ、おかしいな。
目が霞む。
「A、A!」
「右手の傷が酷い…。止血しないと」
私を呼ぶ皆の声が、遠くに聞こえる。
次の瞬間、感じたのは地面の冷たさー。
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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時