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35人の思い ページ27

side:泉

「はっ…!」
「鏡花ちゃん!よかった…」
「敦」

見慣れた天井と鳴きそうな顔で覗き込む敦に、帰ってこられたと実感する。

「A!」

身体を起こせば、太宰に支えられてぐったりと目を閉じているAを見つけ、急いで駈け寄る。

「鏡花ちゃん、おかえり」
「A、どうしたの?」
「ちょっと、慣れない術使いすぎて、ね…休めば戻るから大丈夫」

そう云って笑ってくれたけど、青白い顔からは全然大丈夫には見えない。
今回の事、Aの身にあった事を聞いた。

「ごめんね、私の所為で巻き込んじゃって」
「違う。私が欲しいって言ったから…」

私があんな事云わなければ…。
あの乗客の人達も、私がいなければー!

「不思議な事があってさ。私が、ここに着いた時、鏡花ちゃんに沢山の霊が群がってた。30は超えてたかな。ブレスレットに呼び寄せられた悪霊かと思ったんだけど、なんか違ってね。その人たちからは、鏡花ちゃんへの怨嗟を全く感じなかったんだ」

寧ろ、鏡花ちゃんを守ろうとしているように見えた。

『人助け、がんばって』

それを聞いて、最後の1人に云われた言葉が過った。

「鏡花ちゃん、どうしたの!?」
「分からない、でも…止まらないっ…」

拭っても拭っても、涙が止まらない。

「鏡花ちゃんの過去に、何があったか知らないけど…前を向こうと頑張ってる鏡花ちゃんを、応援してくれたのかもしれないね」

私は、かけられる言葉に頷くばかりだった。
敦が暖かい世界を教えてくれた。
殺めてしまった人達が、光へ背中押してくれた。
私は、探偵社員として、人を助けて生きていく。

「鏡花ちゃん、今度また二人で遊びに行こうよ。…今度こそ、素敵なお揃いを買おう?」
「っ…!」

返事の代わりに、抱き着いた私を、Aは受け止めて撫でてくれた。
暖かい…。

「みんな、…ありがとう」

探偵社員は、必ず”思い”に答える。
私も、探偵社員ー。

ーーーーーーーーーーーー
リクエスト頂いた天上院様はじめ、読者の皆様いかがでしたでしょうか?
楽しんで貰えたなら幸いです!

ここまで読んで下さりありがとうございました。

「何時からそんな好戦的に…え、初めから?」→←猿夢6★



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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時

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