【文スト】異能力？いいえ、霊能力です

「座右の銘は人生楽しんだもん勝ち！」 ページ9

「ありゃ？」

目を覚ませば、見慣れた夢の中。そして、二度目ましての子供達。

『お姉ちゃん、お願い聞いてくれてありがとう！』
「どういたしまして」

どうやら、私の仕事は終わったようだ。

「これで、私は帰れるのかな」

笑顔で子供達に尋ねると、表情が曇った。

『ごめん、姉ちゃんを戻してあげられないんだ』
「どういうことだコラ」

場合によっては子供でも殴るぞ。愛の拳だ。

子供たちの話によると、子供達と私が出会えたこと自体がたまたまらしい。私がさっきまでいたのは、私が生まれ育った世界とは別の世界で、たまたまできた時空の歪み的なところに霊体となった子供達が迷い込み、更に、オダサクさんを助けてくれる人を探していたら、いつの間にか私の夢の仮名にいたという。
確かに私の夢は、悩みや願いを抱えたまま彷徨っている霊的なモノを引き寄せる空間である。そして、引き寄せられた霊的なモノの依頼を受け現世への心残りを解消してやっていた。

「(そういえば、あの日は新月だったな…)」

月の出ない新月の夜は現世のあらゆる霊力が不安定になる。霊力が不安定となるといことは、土地神等の力で自然界に張られている結界も弱まる。その弱まった瞬間に異世界に繋がる歪ができ、奇跡に近い確率でこの子達と私が巻き込まれたと考えると納得がいった。

「それなら、あきらめるしかないかぁ…」

こちらから時空を開くなんて不可能だ。できたとしてもリスキーすぎる。

『お姉ちゃんが願い事聞いてくれたのに、ごめんなさい…』
「いいよ、君らのせいじゃない。こっちの世界でもなんとかやっていけるさ！」

私の座右の銘は人生楽しんだもん勝ちだ。

「…君たちは、これでもう行けそう？」
『うん、最後にありがとうって言いたくて』
『それからね………』

子供達が素敵なことを教えてくれた。
そして、5人の子供達と小指を絡ませて”あること”を約束した。

「指切りげんまん」

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