ひとりかくれんぼ1 ページ32
side:太宰
「うふふ」
自 殺の前と言うものは、如何してこんなにも心が躍るのだろうね。
愛読書『完全自 殺読本』のあるページを開いて、最終確認を行う。
「えーっと、ぬいぐるみに、赤い糸、お米に酒…」
この素敵な本は、いつも私に新しい自 殺の方法を示してくれる。
「さて、…今度は成功するかな」
もし苦しかったら、国木田君か敦君でも呼び出して助けてもらおう。
そんな風に考えながら、本に書いている手順通りに準備を整えていく。
国木田君の様にオカルトなんて信じていないし、世の中で言われている怪奇現象なんて殆どが異能力によるものだろうけれど、偶にはこんな風変わりな自 殺も悪くないだろう。
「名前を付けないといけないんだったね。…どうしようかな」
自分の手に握られている包丁を見ると、ある人物の名前が思い浮かんだ。
「”安吾”、見つけたよ」
私は、手に持っていた包丁をぬいぐるみに…”安吾”に突き刺した。
「次は、”安吾”が鬼だ」
私はせっかく用意した酒を、口に含むことなく押し入れに隠れた。
「あれ、そういえば…何か忘れてしまったような」
突如、酷い耳鳴りと頭痛が襲った。意識を保っていられない程の。
「…っ」
さっきの耳鳴りと頭痛は何だったのだろうか。
目を開ければ、変わらなずに押し入れの中だった。いや、何かが違う気がする。
嫌な汗が顔を伝った。
押し入れの中で気配を研ぎ澄ませていれば、ガタンという音が聞こえた。
この部屋には私しかいないはずだ。
確か、鍵をかけていなかった。誰か入ってきたのだろうか。
否、音が聞こえたのは、玄関の方ではない。音は、浴室の方から聞こえたー。
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銀狼(プロフ) - ゾッとして怖いって思っちゃうけど次のページの手が止まらない!2周目! (2019年12月2日 20時) (レス) id: fe6437d156 (このIDを非表示/違反報告)
泉桃花クラスタ - すごく面白くて、毎日楽しみにしています。更新頑張ってくださいね!楽しみにしています! (2019年3月30日 17時) (レス) id: 1a879c682f (このIDを非表示/違反報告)
カナネ - はじめまして、いつも読ませて貰ってますm(__)m 今また始めから読み返していて…間違えてたらすみません!コトリバコ5に誤字があったような気がします(>_<) (2018年3月22日 15時) (レス) id: 2f304636ee (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - 猫勇者(ヒナっち)さん» 怖いと思って頂けたら書いた甲斐がありますね^^ありがとうございます (2017年8月21日 17時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
猫勇者(ヒナっち) - あ、更新頑張ってください (2017年8月21日 12時) (レス) id: 3b5a43403c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amato | 作成日時:2017年7月23日 16時