【文スト】異能力？いいえ、霊能力です

後日談 ページ23

あの事件から2日後に、ある女性が部屋で遺体となって発見されたという報道が流れた。
それが、彼女のクラスメイトだった女性だと知ったのはお母さんが、娘さんがまた憑りつかれるのではないかと心配して霊能事務所に電話をしてきたからだ。
例外はあるが、通常、呪い返しにより死んだ人は長く現世には留まれない。そう説明しても、先日のことがあり、不安で精神を病みそうだったため、魔除けのお守りを売っておいた。
作之助には、それくらい無料でやればいいと言われたが、こちとら生活がかかっていることを忘れないでほしい。取れるところからは、きっちり取っておく。
因みに、坂口さんとジイドには逞しいと言われた。解せぬ。れっきとした女の子に逞しいてなんだ。

あれから暫く経つが、娘さんもお母さんも何事もなく過ごしているという手紙が届いた。娘さんが、子供を望めない身体になってしまったこと以外は。
それを告げたときは、ショックを受けていたが、人の赤ちゃんを殺めてしまったことの贖罪と、命だけでも助かったことを自分なりに整理して最近ようやく気持ちが落ち着いてきたとのことだ。前を向いて生きていきたいと手紙には記されていた。。
こういう話を聞くと、助けてよかったと思える。
どんな過ちを犯しても、立ち直れないほどのショックを受けても、前を向く強さはどんな人間にでもあるものだ。

顔も本名も隠して、事務所の住所や電話番号も放送せず、宣伝もしなかったため当然と言えば当然なのだが、事務所の仕事は劇的に増えるなんてことはなかった。
それでも、あの一件の当事者達により口コミで広がったようで、ぼちぼちと客足が伸びるようになった。そのため、何とか作之助とジイドに給料も支払えているし、生活も人並みでできている。

そして、あの一件から数日後、異能特務課からの判定が出た。
判定は、「異能ではないと認め、営業を続けることを許可する。」というものだった。
お役所からの許しも出たところで、今後とも心置きなく営業できることになった。
ついでに、現在、お役人さんからの依頼が一般の人からの依頼を上回っている。





…
……
………

憎い…

アノ小娘が

私の人気を、一晩にして奪い去った…！

今では、詐欺師と世間の晒し者にされ、過去に依頼してきた馬鹿どもが金を返せと煩い…！

許さん…許さん…！

この恨み、必ず晴らしてやる…！！

「二人とも、社長からの入社祝いだよ！」→←コトリバコ8★

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す