おめでとうをあなたに ページ22
目が覚めて、今日も喧しく騒ぐアラームを止めるべくスマホを手に取ると沢山の通知が並んでいた。
内容はもちろんの事
「誕生日おめでとう」
それぞれの言葉で言い換えられてはいるが、沢山のお祝いの言葉が並んでいた。
そうか、今日だったか。なんてぼんやり思い出す。
いくつかだけ、主にいつものメンツのグループが桁違いの通知量だったためトークを開き、簡単に感謝の言葉を送る。
何やら夜にはパーティもしてくれるらしい。
今年は何を企んでることやら...
朝飯を軽く食べて、夜までは特に用事もないしな、とまたぼんやりとスマホに目を落とす。
返信もしなきゃあかんしな。何分かかるんやこれ。
そんなこんなダラダラと過ごしていると玄関から来客を知らせるブザーがなった。
返事もそこそこにドアを開ければ、何やら小包が届いたらしい。なんや、誰かがプレゼントでも送ってくれたんかな、なんて宛名を見れば心臓がどきりと一際大きく拍動した気がした。
急いで部屋に戻り、すぐさま包みを開く。
するとそこには小さめの可愛らしい犬のぬいぐるみが入っており、そいつは首に黄色いリボンをつけていた。
底に手紙も見つけ、すぐに封を切る。
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シャオさんへ
シャオさん！お誕生日おめでとう☺︎
プレゼント、驚いた？喜んでもらえてるかな
それとも、もういない人からの贈り物ってやっぱり怖かったりするかな。
もし怖がらせちゃったらごめんなさい。
箱の中のわんちゃんは、買い物に行った時にシャオさんみたいだなって一目惚れした子です。
黄色いリボンもよく似合ってるでしょう？笑
本当は私が持っていたくてお迎えしようと思ったんだけど、わたしにはタイムリミットがあったから。
だからこの子はシャオさんに持っててもらいたいなって思ったの。
たまにでいいから、わたしのこと思い出してくれたらいいな、なんて下心つきで！笑
直接お祝いしたかった。でも、それは叶わないから。
せめても、形だけでもお祝いしたくて。
ちょっぴり重たいプレゼントになっちゃったかもってこの手紙を書きながら反省してます。許してね、笑
改めてシャオさん、お誕生日おめでとう
私の分まで沢山楽しんで、精一杯生きてね。
天国のAより！
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俺は一通り泣いてから、夜の誕生会に向かった。
もちろん、カバンに可愛い子犬を連れて。
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お誕生日おめでとうございます🌼
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作者名：くらげ。 | 作成日時：2020年9月19日 0時
