_二百十四訓 ページ23
.
__…あれから何年も経つと、この星に有り余ったアルタナを目当てにやってくる艦が増えた。
次第に、少しづつと人が住められるように建築していく人の群れをAは見ては、たまに脅かしたりと一人きりの星を楽しんでいる。
……いつしか、人がまたありふれた生活も。近いうちに当たり前になるのか。
そんな彼女は、結わえた一本の三つ編みを揺らして森の中へと入って行く。
***
いつもの場所で本を読み、暗くなってきた時間帯。Aは家に向かう途中濃く香る血の匂いに眉を寄せた。
「(男達の死骸…、と幼女……?)」
ぽつんと。倒れる男たちの真ん中に立つ赤髪の少女が目に入る。
下を俯き表情は見えないものの、良くない話なのは見て直ぐにわかった。
「__誰アルか、お前」
「……、」
こんなに早く気づかれるとは。珍しく驚くAに、少女は俯きながら言う。
「ただの通りすがりのモノだ。それにしても…、幼い少女にしてはこれは中々だな」
Aが言った通り少女の前には血だらけで白目を向き、地面に転がる男が十数名いた。
「……コイツらの、自業自得ヨ」
売りに出されたのだろうか。そんな考えが頭をよぎったが違う理由にせよ良さそうな雰囲気は感じられない。
「……………」
「………、おい。お前、ッ」
握られた中華服の裾。少女を見れば、濁った大きな瞳と薄汚れた身体に服。
「(……びっくりした)」
思わず、昔の自分を見たのかと目を疑った。
「……私と一緒に来るか」
156人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美結菜 - とても面白かったです!完結おめでとうございます! (2023年2月8日 11時) (レス) @page48 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
Chaos(プロフ) - 長編お疲れ様でした。ありがとうございました。 (2022年4月17日 5時) (レス) @page49 id: 679f50534d (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 泣いた~誤字ちょくちょくあったけど内容とても面白かったです (2022年2月16日 8時) (レス) @page49 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 新連載楽しみにさせていただきます。これからも頑張ってください! (2021年9月22日 16時) (レス) @page45 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
雲雀 - 完結おめでとうございます(*^▽^)/すぐに読みたかったんですがなにせ中間テストの期間に入ってしまい見ることができませんでしたが、やっと見ることができました。久々なので見返しますね。改めまして完結おめでとうございます。 (2021年9月22日 16時) (レス) @page45 id: 69d630334c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なな | 作成日時:2021年5月26日 1時