_百四十七訓 ページ4
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カッカッカッ、と威勢のいいヒールの鳴る音が通路に響く。
……あぁ、副団長の事はもう知らない。何がそりゃありえねーな、だ。呆れているようなこと言われたら怒るさ。こっちは真剣に悩んでいると言うのに。
「Aさん」
「……ん?」
優しい声色が背後から聞こえ、イライラしていた熱も下がっていった。
振り返ればモブAがこちらに小走りに向かっている。2人並んで歩けば、食堂にへと足を運んだ。
「今日は早起きですね〜」
「…色々とあってな……」
名前)さんも大変ですね、なんて微笑みながら彼は言った。
その笑顔にこちらまでもが強ばっていた表情も緩む。
「あ、また補佐さんと一緒かよ“Aくん”」
「みんなから恐れられている補佐さんと仲良くなるなんて大したもんじゃねェか“A”」
「はいはい、そーだね」
私には敬語なのに他の奴らにはタメ口なのか。一様私が上司だからって気を使っているのは分かっているが、なんだか寂しいというか…。
なんて、私が言うことじゃないけど。
「……って、お前いつの間に“モブA”呼びになったんだ」
「そりゃあ、Aさんが付けたあだ名に便乗してですよ」
「え、私?」
それは悪いことしたな。と思いながら(思ってない)そこそこ人がいる食堂に着いた。
今日のメニューは朝から丼。馬鹿だろ胃もたれするぞ。デザートのリンゴだけ貰おう。
流石夜兎なだけあるな…。団長までとはいかずとも食欲が凄い。等と彼の向かいの席に座ると同時に、モブAはそれで?と、話し始めた。
「団長と何があったんですか?」
「……なんで分かるの?」
あれ、喧嘩したんじゃなかったんですか?とさも当然のように聞いてくるコイツに思わず間抜けな声が出てしまった。
何故わかる。団長の話なんて何一つしてないぞ、私は。
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yuuna1202(プロフ) - 本当ですか!嬉しいです!! (2020年12月8日 11時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 私この小説を応援してます!補佐さんが呪術廻戦に転生するのも見てみたいなと思います!? (2020年12月7日 19時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年7月17日 23時