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_百五十四訓 ページ11

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「第七師団団長殿へ
久しぶりに会ってお話したいのですが、お時間よろしいでしょうか。美味しい食事もご用意致します。…だってさ、人が食でなんでも釣られると思ってるよ」
「正解じゃないですか?」
「お前減給」


じょ、冗談ですッ!!と必死に否定し始める彼をよそに神威は阿伏兎に行く前もその前にも散々気をつけろと言われその言葉しか頭に回ってなかった。
そんなにうるさく言わなくとも、彼だって分かっている。


「こんにちは。お久しぶりですね」
「…………」


にっこりと作り笑いを浮かべる目の前の男が、狂気じみてることくらい誰だって分かるだろう。

豪華な食事を目の前に席に座る神威と、その隣に座る彼。食べていいとでも言いたげた視線を向ける神威に男は苦笑いを浮かべながらどうぞと差し出す。


「(団長…、結局食べ物に釣られてるじゃないですかぁ…)」


はぁ、とため息を吐くAくん。そんな彼に男は目をやり貴方は?と問いたのだった。


「名乗り遅れて申し訳ございません。第七師団団長の部下の者です」
「怪しい奴じゃないので気にしないでください」


もしゃもしゃと口にものを含みながら話す自身の上司を見て彼はハラハラとした。副団長である阿伏兎に「団長のこと見張っておけよ」と言う任務を果たす為、来たようなもの。
……その分のお小遣いも貰っているのでしっかりしなければと自分にムチを打った。

さて、と本題に入るように男は口を開く。その手には赤いワインの様な飲み物が注がれている。
ゴクリと口に含むものを飲み込む神威は、その男をじっと見つめた。


「私は初め、夜兎のことが知りたいと言いましたよね」
「言ってましたね。なにか聞きたいことでもあるんですか?」
「えぇ、貴方師団の方たちから分けて欲しいんです」


分けて欲しい?聞き返す神威と首を傾げるAくん。男は不敵な笑みを浮かべて血を分けて欲しいと、はっきり言った。


「それも所属している第七師団全員の血液を。欲を言えばなるべく早くがいいですね」
「………」
「……団長?」
「…分かりました。一週間後、こちらに来てください。まあ、日頃お世話になってますしね」


しかし、と条件もつけ、蓮華が分からない話をここで聞かないと、小春と関わっている意味がなくなってしまうと思った神威は口を開いた。


「お前の知ってる白魔のこと、教えてくれない?」

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yuuna1202(プロフ) - 本当ですか!嬉しいです!! (2020年12月8日 11時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 私この小説を応援してます!補佐さんが呪術廻戦に転生するのも見てみたいなと思います!? (2020年12月7日 19時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なな | 作成日時:2020年7月17日 23時

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