検索窓
今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:39,806 hit

_百七訓 ページ12

.


傘と傘がぶつかる音がこの場に響く。
阿伏兎はこれを止められる奴は誰もいないとAの横で小さく呟いたが、彼女は否定した。


「……いる。ただ一人だけ」


神楽(あの子)なら…、あのバカ達を止められる」そう言った。

それは昔のこと…。彼らが我を忘れて戦うのを止めた少女がいた。それをAは星海坊主から聞いていた。
そう、だから……。


「___…お前らが何度バカやらかそうと、何度だって止めるアル」
「……ッ…………」

「…還ろう。ただの家族に」


Aを横切った少女は、昔のか弱い少女ではなくなっていた。
神威の腕を掴んで二人を止めた少女_神楽は、力強く兄の腕を握る。


「二人とも、拳をおさめるネ。今ならまだ、間に合うアル」


「今ならまだ還れるアル」そう言う神楽に、星海坊主は彼女の名前を呼んだ。
神威はしばらく黙ったままだったが、肩の間接をゴキッと音を立ててずらして神楽を地面に叩きつけた。

その速さに気づけず、あまりの力強さに背中が痛み神威の蹴りを避けられない。


「神楽ァァァァ」
「お前の家族なんてもうどこにもいない。お前のしってる兄貴なんてもうどこにもいない。そして、お前のしってる親父もいなくなる」


地面を蹴って、神楽目掛けて右腕を振り上げる。星海坊主はまずいと判断して駆けつけるが、その距離だと到底間に合わなかった。


「礼を言うよ妹よ。目の前で娘が死ねばもう一度あの獣も目覚めるだろう」
「神威ィィィィィ!!」

「やめろォォォ!!団長ー!!!!」


星海坊主に続いてAも一歩足を踏み出す。
神威の拳が神楽の目の前に来ると、彼の動きは止まった。


「お前のしってる妹も、もういないアルヨ」


地面に手を付き、神威の顔面を蹴って宙に浮いた彼の足を掴みそのまま崖へと吹き飛ばす。

あまりの出来事にAも星海坊主も動かしていた足は止まり、その場を見ていた。

_百八訓→←_百六訓



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
106人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 第七師団 , 夜兎家族   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

波璃 - 3作品目おめでとうございます!今作も面白いお話を期待しています!更新頑張ってください!! (2020年5月21日 23時) (レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - わーー!!!待ってました!!ありがとうございます楽しみです!!更新頑張ってください!(ありきたりな言葉かもしれませんが本心です笑) (2020年5月21日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なな | 作成日時:2020年5月17日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。