_十七訓 ページ18
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慌ただしい一人の団員に話を聞くとどうやら小型戦が突っ込んできたとのこと。しかもその乗っていた人物が変なやつで今は別室に閉じ込めているらしい。
そりゃそうだ。こんな馬鹿でかい艦に突っ込んでくるほどの勇者なのだ。逆にひょろひょろのやつだったらびっくりするわ。
「あ、副団長みーっけ」
「やっと来やがったな」
なぜに来る前提。そう思ったが突っ込まないでおこう。目の前には小さな破片が散らばり……説明するのめんどいんでもうぐちゃぐちゃ状態。
「何とか修復はしたが……」
「仕事が増えてめんどくさいと」
「わかってんじゃねーか。はァ…もうヤダ」
「そんなこと言ったって可愛くないから」
「うるせぇ……」
副団長が言ったように、目の下には濃いクマがあり少々窶れていた。半分は団長のせいだろうな。なんてったってあの人仕事しないし。
仕方ない。後で手伝ってあげようと思ったが衝突してきた船内の人物を見てこいとと言われ、そんな気持ちは塵となって消えた。
「変人って何。そんなのそこら辺の暇そうな団員がやればいい話じゃない?」
「お前なァ…さっさと見てこい。じゃねーと減給な」
「喜んでみてこよう」
全く、どうしてここの上司は“殺す”だの“減給”だので脅すかなぁ。そりゃみんな動くに決まってんじゃん。
……よし、もしここが嫌になったら晋助の所に入隊しよう。晋助になら心でも身体でも売ってやるさ。
そんなことで見えてきた小さな部屋。自動ドアから出てきたのはモザイクがかった副団長ぐらいのおじさんだ。
謎の悲鳴を出して私の横を通り過ぎていくを止めた。え、ゲロゲロじゃん。カエルとかじゃなくマジのゲロゲロ。
「何がそんなにヤバいの」
「補佐さん…、折り返した方がいいぜ」
「はァ?」
モザイク顔でそんなことを言う団員。そんな忠告を受けてから中に入いると柱に縛られている大柄の男が1人。
キツイ匂いに鼻をつまみながら中を進むとそこらじゅうに団員が転がっていた。
「うぅ〜酔い止めば飲んでこればよかったのぉお…。あ、お姉さん、紙袋とかありますかぁ〜……?」
「…………」
うん、帰ろう。
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時