_十六訓 ページ17
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「おはよう。よく眠れた?」
「おはよう…ございます。はい、よく寝れました」
この年で敬語使うなんて随分としっかりした教育を受けていたんだろうな……。と感心していた。団長も見習って欲しい。
そして今私は、私の得意料理オムライスを作っている最中。やっぱ子供はオムライスだな。昔はよく晋助にも作ってたものだ。……ああ、懐かしい。
「はい、出来上がり。何かケチャップで書いてあげれるけど、どうする?」
「おまかせで…」
おまかせ。それが一番難しいやつ。んんーと、悩んでいると後ろから巨人が抱きしめてきた。
その時ふわりと鼻をかすめた匂いに振り返らずとも誰だかわかる。
「団長」
「あり、なんでわかったの?」
「匂いと身長的に」
「流石だなー」
何が流石なのかはさて置き、取り上げずオムライスにベタだけどハートを書いておいた。
その後団長が自分の分も寄越せと駄々をこねた為巨大オムライスを作った。ほんと優しい姉さんだ自分。
「俺のはハートじゃないの?」
「…………えッ?」
「殺すよ?」
「脅し文句それしか言えないの?お前は」
この人はすぐに殺す殺すと退院を脅す。そんなことしてるから彼女の一人もいないんだと私は思うよ。
どかぁああああああんッッ!!!!
「…………」
「何かお客さんじゃない?」
突然艦内に響いた隕石が突っ込んできたような効果音。そんなものを前にしても平然とオムライスを頬ばれるこいつに殺意を覚える私は悪くない。
てかその口元についてるその米粒はわざとなのか?そうなのか?
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時