_十三訓 ページ14
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「いや〜、まさかあの星に俺らと同じ戦闘民族がいるとわね」
「その中の生き残りを殺すとはな。……それよりあの嬢ちゃんどうするつもりだ?団長」
神威はいつも通りあの貼り付けた笑顔だが、どこか面白いおもちゃを見つけた子供のように楽しげ見えた。
「凄いよね、俺らより二倍もの間を生きるんだ。その間に強いヤツに育てないと」
「オイオイ…ッたく、何奴も此奴もやけに張り切るじゃねーか」
蓮華はAが綺麗にしてくると部屋に連れて行き、静かにった会議室に阿伏兎のため息が吐かれた。
その隣に椅子の上で胡座をかく神威は頭に生えた触覚を揺らしウキウキしている様子で口を開いた。
「Aが世話係で俺が指導者ってのはどうだい?」
「良くねーよ。近いうちに星で武器を調達するんだ。そん時に預けるぞ」
「ちぇッ」
「ちぇじゃねーよ、アホ」
「誰がアホだって?殺すよ?」
「あー、ハイハイわぁったから」
神威と阿伏兎がそんな事をしている間、Aと蓮華は自分の部屋へと案内し二人で風呂に入っていた。
汚れを落として綺麗になった蓮華はまだびしょびしょな身体でリビングに行き、床には小さな水たまりができていた。
「こら、まだ濡れてるだろう」
「ご、ごめんなさい……」
消極的な性格の蓮華。彼女のそんな姿を見て困り眉を浮かべる。なるべく優しく扱う事を心がけてソファーに自身が座り、その足の間に蓮華を座らせてガシガシとタオルで乱暴に髪をふいた。
「___…。」
「……?」
ドライヤーの音でAが言った言葉は分からなかったが、その瞳に映る悲しい目はどこか遠い過去を見つめているようだった。
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時