_九訓 ページ10
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そして、沈黙を破ったのら高杉。返事はしなかったが顔を高杉の方へと向けた。
「お前、やっと生まれた星でる気になったんだな」
「…まぁな。私にもやるべきことがあるんだ」
“やるべきこと”それについては語らなかったが、言い方として何かしら事情があるのだろう。高杉はその理由を知ってるのか知らないのか顔を逸らした。
そしてAは視線を落としながら少し聞きずらそうに言った。
「銀時と小太郎は何してる?」
「…あのアホ共は江戸でどんちゃん騒ぎだ」
「江戸。確か日本の首都だったな」
顎に手をやり考えるポーズをしてうる覚えの記憶をさぐった。
地球。日本に数回しか行ったことのない彼女にとってまだまだそこには知らないことが沢山あるらしい。
「団長が言ってたよ。強いんだってな、流石は“鬼兵隊総督”」
「茶化すなアホ」
「あ、あほ……?」
反抗期の文字が頭をかすめる。それ以降話そうとしない高杉を見て、Aは立ち上がって自室に戻ろうと廊下を歩こうとした。
数歩歩いてからふと立ちどまり、高杉の背中を見つめてもう一度彼の名前を名を呼んだ。
「今度は私から鬼兵隊に行くとするさ。その時は…」
__私のこと、名前で呼んでくれよ
そう言って、コツコツとヒールの音を鳴らして廊下を一人歩いた。
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時