_五訓 ページ6
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「私が四千二百三人。そして団長が…」
「四千二百三」
勝負の結果はまさかの同点。神威は口を尖らせて「つまんないの」と呟く。
「この勝負次に持ち越しだ」楽しげな彼を見てAはニコリと神威からの誘いに断ることなく笑顔で頷いた。
「副団長、次の星潰しは何時?」
「いや、今さっき暴れ回ってたよな。もう次の話かァ?」
「それが団長がさ、次も勝負ネ。とか言ってたから」
「今真似したつもりか?毛ほど似てねーぞドアホ」
食堂で阿伏兎の姿を見つけてAは隣に座る。そんな彼女の発言で阿伏兎は少し呆れ返っているが、余計なことは言わないでおいた。
「(戦闘狂はこの団に二人もいらねーよ…。)」
「今私の事、戦闘狂って思ってたでしょ」
「ンでわかんだよ」
「女の勘」
好物の林檎を齧りながら自室に戻ったAはベットに腰を下ろしそのまま倒れた。
補佐という役目を持つ彼女の部屋は神威程ではないがとても広い。入ったばかりというのもあるが物はあまりない状態だ。
ムクリと起き上がり、持ってきた数少ない荷物のアルバムに目を通す。
「……元気にしてるだろうか」
Aの手に持つ写真には、赤髪と金髪の女性。
顔のパーツはだいぶ違うが、同じ中華服に髪型。その二人の女性は家族なのか旗また友達なのか。
宇宙の宙が見える小さな小窓を覗いて、無数にも広がる星をAは見つめていた。
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時