補佐さんと宇宙海賊【神威】 (ページ35)

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＿三十四訓ページ35

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ふぅー…と、煙管に口を付けて煙を吐き出す音が静かなこの部屋によく聞こえる。
鬼兵隊の総督部屋。そんなところにいる一人の男、高杉はAとの先程の会話を思い出していた。

＿＿＿…

「先生が、生きてる……？」

目の前の彼女が言ったことを繰り返す高杉にAは短い返事をし頷く。

「天人達が発見した新しいエネルギー資源、アルタナのことを知ってるか？」
「知ってる」
「そのアルタナから生まれた不老不死。それが松陽…」

少しずつ話すAに高杉は知らない話がポンポンと進んでいくのに驚く。
Aはその事をいつから知って、いつから黙っていたのだろうか。そんなことを考えていたが今は目の前のことに集中する。

「松陽を殺したのは銀時じゃない、アイツ自身だ＿＿……」

Aは高杉に吉田松陽について話した。奈落のこと、そしてそこの頂点に立つ虚のこと。

なぜ彼女がそんなことを知っているのかは不明であるが。

＿＿＿…

「ん～……」

ところ変わって鬼兵隊の別室。酒瓶やらが地面に転がり、中には潰れて眠りつく人もいる。
そんな両者幹部が集まるこの部屋にまた子のため息がよく聞こえた。

「どしたのさ、へそ出し娘。ため息はいたら幸せ逃げるって知ってた？」
「なんでお前もそう呼ぶンスか」
「だってAが言ってたし」
「あの女ッ～…」

犬のように吠えるまた子を宥めるのも万斉の役目である。だって武市が入ると確実に事態が悪化するからね。