_十九訓 ページ20
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「坂本辰馬だったかァ?ほんとに助かったぜ」
声を出して笑う辰馬。なんでこんなに笑っていられるのだろう。そう思うのは私だけではないはず。まぁ、昔からか。
場所は変わって食堂。そしてまたまた隣には副団長が。いや、団長とあの女の子どこ?
「アッハッハッ!前はこれで知らない星に落っこちたきに。よかったぜよ!」
「…………」
いつものツインテール姿ではなく、この間晋助と一緒にいた時の格好。とは言っても髪を下ろしてるだけだけど。
「いやー、にしてもAちゃんは変わらず別嬪じゃな。金時達にも合わせてやりたいの」
「金時じゃなくて銀時だと思うが?それに金時だったらジャンプ回収騒ぎだ」
「アッハッハッ!同じこと言うちょる!」
ダメだ。昔からこいつと話すのは疲れる。なんというか……うん、疲れるだけだ。
私の軽い説明を脳内でしていると、それを止めるかのように副団長が声を出した。
「お前さんら知り合いなの?」
「そうじゃの。十年振りの再会ってとこぜよ」
「もっと言えば晋助の昔の戦友」
あぁ、そういえば晋助の姉だということ言ってなかったな。真横で副団長が驚いている。
そんな時私の呼ぶ声。疲れる相手を目の前にまた疲れる奴が戻ってきた。振り向こうとした瞬間鉄壁かと思う程硬い胸板に鼻を強打する。
え、ちょ。何この馬鹿力。これ抱きしめられてるだけ?身体中ミシミシ言ってるんだが。
「毎度毎度抱きつかないでくれない……?」
「いやぁ、A抱き心地よくってさ」
「それようするにチビって言ってる様なものだろ。私はそう受け取った」
「……なんかいつもと口調違くない?」
団長が疑問符を浮かべながら首を傾げる。それと同時に頭に生えている触覚が揺れるのを目がいってしまった。
…………これは普通に可愛い。
「アッハッハッ!こんなの金時達が見たら発狂するぜよ!」
「え、誰?このもじゃもじゃ。Aの知り合い?てか金時って何?元カレ?」
「質問が多い。あと金時じゃなくて銀時だろうが!」
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時