今宵もまた君想フ

無言 ページ29

ぐいぐい私の手を引き連れて行く矢花くん。



ここ私の家だから鍵持ってるの私なのに。
優位に立とうとする矢花くんを見て顔が綻ぶのを感じた。





お互い無言でエレベーターに乗って無言で部屋の前までいく。



もしかして下着とか投げっぱなしかもって今更な心配をして家を開ける。



　『散らかってるけどどうぞ』


先に矢花くんを通すと礼儀正しく「お邪魔します」って一声かけてあがるところが矢花くんらしくて好きだななんて思っていた矢先



ドンっっ








壁に打ち付けられていた。

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