食事*7* ページ7
雪野と加州が出ていき、静かになった広間に
「よっ!どうした?しんみりして」
らしくないな、と鶴丸が入ってきた。隣には大倶利伽羅もいる。
三日月は少し目を伏せて話し始めた。
「なに...俺はいつも通りだ。それよりも、随分とご機嫌のようだが?」
「そりゃあな。久しぶりの女だ、ご機嫌にもなるさ。最近は男ばかりで...しかもそんなに美味くはなかったからなぁ」
「あの主はよく食べる方だと言っていたぞ」
「おっ、それは本当か?楽しみだなぁ、伽羅坊!今回はどう料理する?」
鶴丸の言葉に、大倶利伽羅は眉をひそめた。
いつもなら頷くか適当に返事をする、あの大倶利伽羅がだ。
鶴丸は不思議に思い、茶化すように背中を叩く。
「どうしたんだ?伽羅坊。もしかして好みじゃないとか?」
「...なぁ、鶴丸」
「ん?」
「っ.....あの審神者を食うのは...止めないか...?」
想像もしていなかった言葉に、鶴丸は動きを止めた。
自分達が生きていくためには、人肉を食べなければならない。
そんなことは彼も知っているはずだと。
「....伽羅坊、何の冗談だ?ちょいとキツイぜ」
「.......いつかは食べなければいけない....だが、今すぐに食べるのは止めてくれ....!」
「気でも狂ったか?女が苦手ってわけでもない。もう人間を殺して食うのに嫌気が差したってわけでもなさそうだ。....惚れたか?」
鶴丸の言葉に、大倶利伽羅は何も答えない。
ただ、顔を見れば嫌でも答えが分かってしまった。
「...悪いことは言わない。人間に恋だの愛だの抱くのは止めておいたほうがいいぜ。後から苦しい思いをするだけだぞ」
「.....別にそんなんじゃない。とにかく、控えてくれ」
「.......まぁ、あの伽羅坊がそこまで言うなら仕方ないな。分かったよ」
「はは、よきかなよきかな。これ以上死体が増えてはこちらとしても困るのでな」
「よく言うぜ。一回俺達に「味見させてくれないか」って相談しに来たくせに」
「あれは出陣前であったのだから仕方あるまい。腹が減っては戦ができぬ、とも言うだろう?」
「....おい、俺はもう戻るぞ」
「ああ、なら俺も行くか。....三日月、長谷部達の様子はどうだ?」
「さぁな。ただ、後ろと寝込みには気を付けた方がいいぞ」
三日月はニコリと、妖しく笑った。
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みかづち(プロフ) - 雨蛙さん» ありがとうございます!更新頑張っていきます!! (2019年6月1日 21時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
雨蛙 - 本当におもしろいです!久しぶりにこういう話を読んだので続きが気になります(///∇///)更新頑張ってください!! (2019年5月19日 18時) (レス) id: 43a251e5e3 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 緑@最推し信濃さん» ありがとうございます!更新頑張ります!!(`・ω・´)ゞ (2019年5月4日 11時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
緑@最推し信濃 - めっっっっちゃ、面白いです!!!更新頑張って下さい!応援してます(^o^) (2019年5月4日 8時) (レス) id: a246b0d986 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - みるくてぃ@毒占欲の人さん» そう言っていただきとても嬉しいです!!もう一つの方も頑張って更新します!!! (2019年1月12日 18時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2018年12月20日 21時