ねぇ、いいんちょー。【桃】

ねぇ ３３ ページ35

貴方side



日曜日の朝。



私よりも先に起きているレイくんが


レイ「ﾆｬｰ」


と、まるでおはようと言っているみたいに私に鳴いている。


貴「ふふっ、レイくんおはよう」



まずはレイくんのご飯を用意する。

まだ子猫なのでお湯で少しふやかしてから食べさせる。

ガツガツ食べてるなぁ……


レイくんがご飯を食べている間に



私は洗顔して、髪を括り、自分の朝ごはんをつくる。


あ、さとみくんの分もだ。




貴「ん〜、今日は何作ろうかな…」


久しぶりに甘いものが食べたくなったので
スフレパンケーキを作ることにした。



ﾋﾟｺﾝ

スマホの通知がなり、見るとさとみ君からだった。

さとみくんおはよういいんちょーさとみくんもういいんちょーの部屋に向かってもいいの??Aまだ出来てないけど……大丈夫かな?さとみくん大丈夫だよ、俺も手伝いたいし!さとみくんじゃ、向かうね〜



こちらに向かうらしいので玄関の前で待っていると、

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ



とすぐなった。


貴「はぁーい」


ガチャっとドアを開けると、
ひなちゃんを抱いたさとみくんの姿。


まだ寝起きなのかな……寝癖がﾋﾟｮｺﾝﾋﾟｮｺﾝしている。


貴「おはようさとみくん、ひなちゃん」

さ「いいんちょーおはよ」


そういった彼の声は、寝起きなのもあるせいか少し低くてドキッとした。


さ「今日の朝ごはんなに〜？」


貴「今日はねスフレパンケーキだよ！
甘いの食べれる？？大丈夫？」


さ「うん。甘いのも好きだよ」



その後は彼と一緒にパンケーキを作り、
豆を挽いて、コーヒーを作り…


なんやかんやあっという間に支度が済んでしまった。



貴「さとみくんが手伝ってくれたから早かったね。
ありがとう」


さ「いえいえ〜さ、食べよ？」


貴「うん！そうだね」




久しぶりに食べたスフレパンケーキ

めっちゃしゅわしゅわでおいしい……

メープルと粉砂糖で更に甘々なので贅沢だぁ…



さ「…いいんちょーってさ」


貴「？」


さ「甘いもの好き？」



貴「大好きだよ？なんで？」



さ「いやぁ、すごい美味しそうに食べるなって思って」



そう言いながら頬杖をつき、薄く微笑む彼の姿は


どことなく見たことある気がしていた。


瞬時に頭が痛くなる。


貴「っ、」


さ「いいんちょー？」


貴「う、ううん、なんでもない」



この人は私の『記憶』に関係がある人なの……？

ねぇ ３４→←ねぇ ３２

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す