キミトミタイセ カ イ 3 ページ23
「それって逆に、会いに行って復縁迫ったりせんかったんですか？///」
「うん。…嫌われたくなかったし。それに別れて暫くしてから気づいてんけど、身軽になったんも確かやってん」
「身軽って…」
「ふふ。…その彼氏ってのがさ、とにかく愚痴が多い人でなぁ、会う度に「こんなことあった」「あんなことあった」「ひどない？」って聞かされてて、一緒に怒ったり、解決策考えたり。それが結構俺の時間を割いてたみたいで…」
「その時間が無くなったから身軽に？」
「そう言うことww。えーでー。道歩いてても家に居っても目の前のことと自分の予定だけ考えてたらええねんもん。そしたらさー、俺ってなーんも考えてないなぁーって。ぽやーんとして、すげえのどかで『世の中平和やなぁ』とか思ってまうんよ！笑えるやろ？！ww」
「…笑えませんよ」
「なんでよぉ！？」
「、、、だって。先輩泣いてるし(拗)」
「へっ？///」
ガチびっくりしてるけどさぁ…
「ほらっ…」
先輩のほっぺを滑り落ちる涙をすくって見せると
「…ふふっ。…ほんまや///…ああっ、どうしよう///」
後から後から涙が溢れてきて、遂に上を向いてしまった先輩
「これ使ってください」
キレイなハンカチ持たせてくれたオカンに感謝しながら渡すと
「…ありがとう///」
顔を覆ってから今度は下を向いて
「…ホンマにスキやったんよ」
…だろうね。だって耳真っ赤やし。
「あー、あぁ、ええ人やったのになぁ///」
「それはウソですっ(拗)」
「…ウソって？」
「先輩のコト泣かしてるし、ソイツ、めっちゃ悪い人ですっ///」
「…ふふふっ///…それもそーやねぇ(苦笑)…あぁ。今まで一回も泣かんかったのに。…はぁ、でも。泣いてスッキリした。大倉って…聞き上手やね///」
「そんなことないです///…きっと誰かに聞いてもらいたかっただけですよ。そのクズ男のコト知らん誰かに。それがたまたま俺やっただけで…」
「…じゃ、これは運命かな」
「うんめー？///」
「だって、大倉から声掛けてくれたやん。どんな事情か知らんけど講義中やのに構内ウロウロしてたんも俺を見つけてくれる為やったんかなぁ？ww」
「…笑った///」
「ん？」
「先輩笑ってくれた。目ぇぐしゃぐしゃやけど、笑ってる先輩の方がいいですっ。だから、もう泣かんとって下さい。せっかく平和になったんでしょ？」
「…ほんまやね。…ありがとう///
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年12月5日 2時
