やすくんと狛犬ちゃん３ (ページ10)

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88 まるちゃんがくれたブランケットページ10

＊

「Aおいで〜」

ブランケットをマントの様に広げたやすくんが呼んでる。

あいあーい

走ってったら、包む様にキャッチしてくれて

…ん？

『カフッカフッカフッ』

嗅いだことのない匂い。これっておニュー？

『くぅーん』

「わかる？これもまるがくれてん。かわいない？」

うん、可愛いね。でも…

ぴょいっと逃げて、ソファーの上に敷いてあるタオルに移動

「そっちがいいん？」

『キャン』

「長いこと使ってるから毛羽立ってきてるやろ？」

それでもこっちがいいんだもん

『カフッカフッ』

「正直そろそろ捨ててもいいかなって思ってるんやけど？」

な、なんですってーーー！

『キャンキャンキャンキャン、、ウ"ー、、ワンッ💢』

「コラッ、吠えないよ」

『ワンワンワンワンワンッ💢』

「あかんて言うてるやろ！」

『Σキャン！』

アイタッ、おしりぶたれたっ💦

『くぅー、くぅーくぅー、、』

酷いよやすくん💧

もー、しらないっ。タオル巻きつけて中に隠れちゃお

『きゅーーーん』

「あーあ、拗ねた」

そりゃ拗ねますよ

このタオルは初めてやすくんがあたしにプレゼントしてくれたモノなんだから

まだ狛犬だった時…

おしり冷やさないようにってやすくんが掛けてくれて

ここに来る時だってこれに包まって来たんじゃん

あたしにとっては大事な大事なタオル。それなのに、捨てるですってー？！

『キュー！キューキュー！！』

ほら、よく見て思い出して！

あたしはタオルを咥えてやすくんに渡す。と…

「あ、このタオル…、、いつもゲージに入れてあるん出して来たん？」

『キャン』

「これって、おかあちゃんの形見のタオルやな」

か、形見？！違う違う、プレゼント💦、、って

あ…そか。

やすくんはあたしの抜け殻になった狛犬をあたしのお母さんだと思ってるんだよね。だから形見か

「久々神社まで散歩しにに行こか？」

『キャン！』

「おかーちゃんに『こんなに大きくなりましたよ』って見てもらお」

『キャンキャンキャン！』

「その間にこのタオルは洗濯しとくから、今日はまるがくれたブランケット使ってな」

『キャン！』

喜んで♪

タオルの代わりに広げられたブランケットには、もうやすくんの香りが付いていた

　