8UPPERSのセカイ（eight） (ページ7)

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あれ？あの子、もう出て行ってしまう！

苦い顔してるから、ジョニーが未成年なのに気付いてノンアルコールにしたんがバレたんかも。

僕は二人に「ごちそうさま」って手を合わせると、高いカウンターイスから飛び降りて慌てて後を追う

こんな暗い街にあんな子がひとりで居ったらロクなコトにならん！

「どこや？」

はぁはぁはぁ…

見失った…、、、

しかも、お、お餅がお腹で踊ってんのかキリキリし出したし///

「食べた後にすぐ走るとしんどいな…」

『オジサンだからじゃない？』

「失礼やなあ！僕まだ20代！って、あ、」

さっきの子！

シャッター街の店の前にしゃがみこんで、肩で息をする僕を見つめている

「こんな所でなにしてるん？」

『親を呪ってんの』

「え？」

聞けば、この子は僕と一緒。

不倫の子。

それ故に自分は不遇に育ったと嘆いている。

なんて返したらいいのか答えを考えあぐねていると、その子は地面にのの字を書きながらまた喋り出した。

…小さい時からの辛い経験、

愛という言葉で縛られた不運な母親への蔑み、

ゲスだと言う別宅の父親への呪詛…

途中から隣にしゃがみ込みじっとその子の口から止めどなく流れ出てくる言葉を聞いていたけど

「うーん…」

『ね、どうしようもない親でしょ？呪う気持ちもわかるでしょ？！』

…まぁ、言ってることはわからなくもないが

「それって、呪ってさ、最終的にどうなって欲しいの？」

『居なくなって欲しい。特に父親』

「なんで？」

『全ての元凶だから』

なるほど…。

「その諸悪の根源がなくなれば、君は幸せになれるんだ」

『そう！毎日鬱々とする事もなく普通に楽しく暮らせるんだよ？』

「…それは違うと思うけど」

『違わなくない！絶対そうなんだって！』

…ああ、よくないな。今が一番輝いて見える。目を爛々とさせて、生気をみなぎらせている。

「……そうか。それが君の信念なんだね」

『そう！』

「じゃ、わかった。僕が助けてあげる」

『…は？何言ってんの？』

「親が居なくなればモヤモヤが無くなって幸せな人生を謳歌出来るんでしょ？なら、そのお手伝いを僕がしてあげる」

『ちょ、マジで言ってんの？？』

…その言葉の中に、少しでも恐怖感や罪悪感が混じっていたらやめようと思った。

けど、微塵も感じなかったから…

僕のためにも実行あるのみと悟った