20 arsenalのセカイ ページ20
だからバス乗るん嫌や言うてん(怒)
そこそこ混んでるし、立ってなあかんし
「アーセナル座る？代わろか？」
下から見上げてくるトッポ。その手にはやっぱりゲーム。
「お前みたいなチビが立ってたら吹っ飛ぶやろっ、座っとけ」
「…アーセナルにチビ言われたない」プクッ
「あ''あ"？(怒)」
カチーンときて、内ポケットの相棒を引き抜こうとしてハッとする
…今日はシゴトちゃうから普段着やし、相棒は留守番や
「チッ、命拾いしたなっ！」
「はいはい…」
こんのっ、クソメガネー！！(怒)
あーーー、それにしてもこの道の混みようは何やねん。全然進まへんやんけ！
て、おい。
道スッカラカランに空いとるし！
ほだらなんでこない徐行すんねん？！
どう言うこっちゃ？って首を伸ばして様子を伺うと
……バスの前にチャリンコが居るやないかい(怒)
「トッポ、降りんぞ！」
「え？え？！」
慌てたトッポは降車ボタンを押すんにゲームから目ぇ離してしもて、画面が「ちゅどーん！」ってな事になってる
「あー！(涙)」
許せトッポ。俺はあのチャリンコを成敗せんと気がすまんのや！
「俺先降りるし、お前二人分払とけ！」
「え？！ちょ、待って！！」
だから、待たれへんねん！
まだなんやかんや言うてるトッポを置き去りにして、俺はチャリンコを追う
「おい！待て、コラッ！！」
待てっちゅーんが聞こえんのか、チャリンコはフラフラと尚も車道の真ん中をデカイ顔して徐行中
「おいっ！お前や、そこの腐れチャリンコ！止まらんかい！！」
こうなったら石でも投げたろうかて、走りながら手頃なん物色してたらトッポが追いついて来て
「お兄さん、財布落ちましたよ！」
『あ？』
ナイス、トッポ！チャリンコ野郎が道の真ん中で止まりよった！
「そのまま轢かれて死んでまえっ！」
『なんやと？！(怒)』
「やるんか？やるんやったらこっち来い！」
その後？
オトナ的指導しただけやで？
「今度からバスの前走るんやったら、バスより速よ走りくされ！(怒)」
『は、はい。そうします(涙)』
「そんで二度と俺の前にそのツラ晒すなよっ！次見かけたらハチノスにするからな！」
『はいっ(涙)』
「…もうええやんアーセナル。次のバス来るで？」
「そら丁度ええわ。お前次のバスの前走ってみぃ」
『勘弁して下さい！(涙)』
end
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作者名：青菜はやと
| 作者ホームページ：
作成日時：2018年10月5日 22時
