指に触れる愛が、３

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『その企画、やりたいです』
三「本当に！ありがとう！！Aなら受けてくれると思ってたよ〜！！」
『(笑)よろしくお願いします』
三「うんうん！こちらこそよろしく！」


三「Aって、楽器何かできる？」
『ピアノとギターなら…多少は…』
三「じゃあアコースティックな感じいけるね」
『いや、ほんと、レベルは低いんで期待しないでください…』
三「なんだかんだ言ってAなら出来るから大丈夫だよ(笑)なんかやりたい曲とか…ある？曲のセレクトとかはできるだけAの好みでやろうと思ってるんだけど」
『やりたい曲…』
三「まあいきなり言われてもないか(笑)」



正直あんまり…やりたい曲とか思いつかないけど、(笑)

あ、でも…



三「ん？なんか思いついた顔してる、なに？？」
『あの…やりたい曲とかは、思いつかないんですけど、…』
三「うん？なになに？」
『…背中を、押したい人がいるんです』



頭に浮かぶのは、勇人の顔だった。



『私はなにがあったって、もし元に戻れなくたって、あなたのそばに居るよって、伝えたい…大切な人がいるんです』



元気なように振舞っているけど、本当は、怪我をして戦列を離れて、戻ったときに自分は今までのような結果が出せるのかと不安に思っていて。

私にその気持ちを吐き出してくれた彼を、どうやったら支えてあげられるのか、ずっと考えていた。



三「うん…伝えよう、歌で」



だから今回、いい機会を与えてもらえたと思う。本当は、こんな個人的な感情を仕事に持ち込むべきではないんだと思うけれど、歌の力があるのなら、それを信じてみたいと思った。



三「Aの大切な人の背中、支えてあげられるような歌……あ、」
『あります？？』
三「ある、ある！洋楽なんだけど……」

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