28. 手のひらにワクワクを乗せて ページ25
『キャリーケース2人で1つでええよね?』
「ええよ、荷物少ない方がええもん」
『勇人のこれ?』
「そー、A荷物持ってき。俺詰めたるから」
『私のこれ』
「え、これだけ?少なっ(笑)女ってもっと荷物多いんちゃうの」
『だっているの着替えと化粧品とスキンケアくらいやろ』
相変わらずさっぱりしてるなあ、と笑いつつ荷物を詰め込む。一時間後には家を出ないといけないのにまだ終わっていない荷造り。そう、今日から2泊3日で旅行です。
『北海道ってもう寒いよね?』
「翔に聞いたら寒いって言ってたで」
『翔…?…あぁ、中田翔くん』
「そーそー(笑)」
半年以上前から計画していた旅行。Aは映画のクランクインまで拘束されないし、俺もシーズンオフを迎えて、ようやくこの日が来た。
『ふぁああ…』
「眠い?」
『うん…流石にね…』
さっき撮影を終えて帰って来たばかりのAは流石に眠そうだ。機材トラブルで押して押して帰って来たのは結果朝。もしかしたら間に合わないかもとヒヤリとした。
『準備もう完了?』
「完了やな」
『よしっ』
「ゆうて後15分か。…もう出る?」
『そやね、出よっか!』
「出発しまーす!」
『はーい!』
.
.
.
「A…A、」
『…ん、?』
「もう着くで」
離陸してすぐ爆睡した私。勇人に揺すぶられて起きるともうすぐ着くようで。
『…めっちゃ寝た…』
「一回も起きひんかったやろ(笑)」
『はやと、寝てないの…?』
「ちょっと寝たけど、あとは漫画読んでた」
『…うん、』
「まだ寝ぼけとるやろ(笑)」
ケラケラと笑って髪の毛の乱れを整えてくれる。
よくやく目が覚めてきた…
『着いたら…とりあえずホテル?』
「やな。荷物置いて」
『今日ご飯なに食べる?』
「寿司食おうや」
『あっいいねぇ。この時期イクラが美味しいらしいよ』
「そんなんもうイクラ丼一択やん」
『ね』
割と無計画で行き当たりばったりな今回の旅。ゆったりのんびりな感じで、いいリフレッシュな旅になりそうな予感。
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作者名:ハナ | 作成日時:2018年9月19日 23時