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「あ、明日さあ」
『うん?』
「翔が良かったら飯どうっすかって。どう?」
『翔くん?別にええけど…美味しいとこ連れてってくれるんかな?(笑)』
「くれるやろ(笑)なら翔に言っとくな。多分あいつ後輩連れてくるけどええ?」
『ええよ。…でも私野球選手全然分からんけど…ええかな…』
「ええよ、全然(笑)」
のんびりと予定を決めているとどうやら着陸したようで。荷物をまとめて立ち上がる。
自然に握られた手のひらを、はじめての2人での旅のワクワクを乗せて、ギュッと握り返した。
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『わっ…きれーい…』
「おー、すげぇ」
ホテルに荷物を置いて、その足で観光に出かけた。
来たのは紅葉が綺麗な観光地。隣で感動しているAを横目に見つつ、紅葉を眺める。
景色を見て、楽しめている自分に気づいて大人になったんだなあ、としみじみ思う。学生の頃はこんなんなんもオモロないわ〜とか言ってたのにな。
『落ち着くね』
「な」
穏やかな顔で景色を眺めるAの横顔があまりにも綺麗で、思わずカメラを起動してシャッターを押す。
『え?なに(笑)』
「いい顔しとるから(笑)」
『なにそれ(笑)どうせなら2人で撮ろうよ〜』
「お、ええな」
勇人カメラこう持って、なんて指示されてAの頭に頬を寄せて紅葉をバックにインカメで写真を撮る。
「なかなかええやん」
『ふふ、それ送って』
「おう。…なあこれロック画面にしてええ?」
『え?ロック画面?ホーム画面やなくて?(笑)』
「ホーム画面はなんかアイコンで隠れるやん」
『ええけど(笑)』
ホテル帰ったら設定しよ♪
「あの…」
『「??」』
「Aさんと坂本さんですか…?」
後ろからかけられた声に2人で振り向く。そこに居たのは制服姿の恋人らしき2人組。
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作者名:ハナ | 作成日時:2018年9月19日 23時