我、創造神ノ末裔ナリ ページ1
ボクが生まれたのは、貧しい村だった
母と思しき女性は、真っ黒な綺麗な長い髪
そして、美しい青色の瞳をしていた
「……何故貴方は、髪が白くて、瞳が黄色いの？
どうして貴方は、私達にはない“力”を持っているの？
私の子は……“人間”じゃない……」
「お母さん、ボクはちゃんとした“ヒト”だよ
貴女の産んだ子供だよ？」
ボクには不思議な力があった
壊れたモノを治す力
村の人達は“創造の力”って言ってるみたい
この力は、お母さんにもお父さんにも無かったんだって
ボクは特別らしい
そう言えば聞こえはいいかもしれない
でも、村の人達からは酷い扱いを受ける
蹴られたり、殴られたり、この寒い外の中で川の水をかけられたり
ボクは昨日、村の外から来た変な人に見てもらった
医者……なのかな
でも、少し違う人
その人はボクのことを
“別世界の創造神の末裔”だと言った
その別世界の創造神サマは、“怪物”の姿を来ていたみたい
その一体だけで、沢山の力を使って
創造神だから、どんな力を使わせても欠落した箇所は無かったみたい
それまで無かったボクの名前は、その創造神サマの名前から付けられた
その創造神サマの名前は──“アルセウス”と言うらしい
「ねぇお母さん
ボクがこの村を出て行けば良いの？
だったらボク、出て行くよ？
お母さんの悲しそうなお顔、見たくないもの
ここまで育ててくれて有難う
さようなら、お母さん」
ボクは足を覆う布を向けて村を出た
これからどうしよう
そうだ、見付からないように森にお家を作ろう
体の小さなボクに出来るかは分からないけど
お外で寒がって寝るよりは安全な気がする
そう思って、人が寄り付かなそうな森へと向かう
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