高校3年、秋-6- ページ7
結局俺らの取れた場所は近くも遠くもない真ん中辺り。
けど、恵まれた身長のおかげでステージはよく見えそうだ。
それにしてもすごい人気だ。
うちわを持ってる女の子たち、サイリウムを振り回す男たち、父兄らしき大人も大勢いる。というかもう全校生徒居るんじゃない?レベル。もっと言えば先生っぽい人も結構見える。
開演時間が迫るにつれて会場のボルテージも上がっていく。
あちこちから名前を叫ぶ声が聞こえてくる。色んな名前が聞こえてくるからこれだけの人数を集めているのは葵だけではなさそう。軽音部とダンス部がそもそも人気なのかもしれない。
「ほら角名!これ持ち!!」
「え、なんでこんなん持ってんの?」
「そこの女の子がくれてん!俺らもサイリウム振りたいやん!!」
「余ってるんでどうぞって。東京の子は優しいんやなぁ」
それは多分お前らの顔面のおかげだ。
何にせよ、この中で手ぶらなのはちょっと居心地が悪かったからありがたい。それにせっかく来たんだから楽しみたいし。
様々に飛び交っていた声が集まってカウントダウンが始まった。開演まで1分を切った。会場の一体感すごいな。本当にアーティストのライブ会場みたい。
5
4
3
2
1
ぱっと音が消えて会場に静けさが漂った。
いきなり誰も声を発さなくなって驚くのもつかの間、聞き心地のいい歌声が聞こえてきた。
いつも話している時とは少し違う、でも確かに大好きな葵の声。会場を一瞬にして魅了してしまうような、そんな歌声だけが広い体育館に響いた。
そしてワンフレーズ歌い終わったあたりでパッと照明がステージを照らし、爆音で楽器が音を奏で、ダンス部のパフォーマンスが始まった。
笑いながら心底楽しそうに歌う彼女を俺は一生忘れないと思った。
60人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はいきゅ。❤︎ - すみません!!!!!!初コメではありませんでした!!!かな様ごめんなさい!!!! (4月13日 22時) (レス) @page10 id: 32bb66029a (このIDを非表示/違反報告)
はいきゅ。❤︎ - え、まってください!!!!このお話、、、、初コメを、、私が頂いていいのでしょうか!?!?!??!というかこの夢小説最高なのですが!?!((語彙力ゼロ ほんとうに作者様生まれてきてくれてありがとうございます!長くてすみません!続き見たいです! (4月13日 22時) (レス) @page10 id: 32bb66029a (このIDを非表示/違反報告)
かな - 好き (2022年3月10日 10時) (レス) id: 4f3c0f4c8d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いくと | 作成日時:2022年3月4日 0時