○昵懇の仲である君との話。 ページ9
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昼下がり、任務終わりに城下町をふらりと歩いていた時。賑わう道の中、見知った顔を見つけた。
金色の夜明けのローブを纏う少女。その子は。
『……わ、ルアちゃんじゃん！久しぶり』
｢ん……あ、ハクお兄ちゃん！わぁ〜久しぶり！｣
名をルア・ノノル。金色の夜明け団所属の最年少魔法騎士団員だ。
短い金髪にバラの飾りを着けており、ぴょこんと跳ねると同時にふわりと花飾りが揺れた。
｢えー、ホントに久しぶりだね！元気だった？｣
『うん、めちゃくちゃ元気。ルアちゃんは……元気そうだな』
｢勿論！元気元気｣
ニコニコと微笑み、元気に受け答えするルアちゃん。
小柄で幼さの残るその顔つき。なんと彼女は15歳になる前に魔導書を授かり、現在金色の夜明けの精鋭部隊の一人としてその力を奮っている。先程言った最年少の魔法騎士団員と言うのはこういう事だ。
｢ハクお兄ちゃん、今日はお休み？任務？｣
『任務帰り。さっきまで行ってて終わらせてきた』
｢じゃ、この後暇？ちょっと付き合ってよ！｣
『いーよ、どこ行く？』
｢この間オープンしたあっちの通りのカフェ！行きたいなーと思ってたんだ。そんでハクお兄ちゃん甘いもの好きだったよね？って思い出して｣
『いいね、行こ行こ！』
｢やった〜｣
何食べよっかな〜と目をキラキラさせるルアちゃんと共に進む。可愛らしい反応をするルアちゃんを見ながら、ぼんやりと彼女と初めて会った頃の事を思い出していた。
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ルアちゃんと初めて会ったのは任務先での事だった。この間の魔宮の時のように、黒の暴牛と金色の夜明けから派遣される事になっていて、黒の暴牛からは俺が向かった。
内容は盗賊団壊滅。その頃クローバー王国を騒がせていた者達を捕まえる事であった。
魔で人数を探り、少しずつアジトに近付く。そして。
｢な……魔法騎士……ッ、｣
｢っく、この……！｣
『大人しくしろ！』
出入口を塞ぐ二人を抑え、拘束しアジト内の情報を吐かせる。嘘ついても無駄だからな。俺、ヤミ団長直伝の氣の読み方大体マスターしてるし。
『……こっちか』
なるべくバレないように少しずつアジトの中を進む。途中出会した奴はしょうがない。ボコして中の事を教えるように言う。拒否ったり嘘ついたら更に凍らせて｢凍死って綺麗なんだってよ｣と笑顔で脅してやった。
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作者名：白璢 | 作成日時：2022年1月1日 20時
