#105 あなたはただの上司じゃない ページ5
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「ねぇ!
モブリットは私のこと、どう思ってるんだい?」
─それは、私の『Aはエルヴィンを今どう思っているのか』という疑問でもあるわけだ。
避けたりして、でも元通りを装う。
私はそれでモブリットに嫌われたかと思った。
もしかしたら、エルヴィンがAにフラれたと思うのと似ているのかもしれないね。
だからこそ、私は聞きたい。
「さぁ、遠慮はいらないよ!
ほらほらッ!正直に言ってごらんよ!」
「え、えっと……」
「またごにょごにょしてるッ!
モブリット、男だろ!」
「あ、あの、そうは言われましても…。
…えーと、『頼りになる班長』ですかね?」
「私はごにょごにょしてたことが聞きたいんだ!
ほらッ、もっと他にある筈だよ!!」
「えぇッ…『変人』でしょうか?」
「…私には分かる!
モブリットはそんなことでごにょごにょしない!」
「『人類の奇行種』…」
「もっと他!次ッ!」
「『眼鏡の人』…」
「もっと他にあるだろうッ!?」
「『巨人マニア』…」
「もっともだけどね!!
なに?そんなに言いたくないことなの…?」
「…ッ!!」
─なぜかまたそこで赤面するモブリットに、私は更に詰め寄りながら次の言葉を促す。
モブリットもヤケになったように私に答えた。
「『生き急ぎすぎな人』!」
「はい次ッ!!」
「『ポニーテール』!」
「はいはい次ッ!!」
「『変態』!」
「はいはいはい次ッ!!」
「…あぁ、もうッ!」
「…ッ!?」
私の肩がビクッと震える。
え、だって、モブリットが急に大声を上げるから。
さっきまで大人しかったのに…そりゃ驚くだろう!?
「なっ、なに、どうしたの…?」
「……ッ、好きです!!分隊長!」
「………へっ??」
「自分はハンジさんが好きです!!
変人で巨人マニアで『人類の奇行種』とさえ呼ばれているあなたが、目の前のことにひたむきで真っ直ぐなあなたが、女性として好きなんです!!」
「……っ、え、好き……?」
「はいッ…!!」
─モブリットの顔は真っ赤で、多分、私の顔もこの上ないくらい真っ赤になっているだろう。
『好き』だと言われたのは初めてではない。
だが、皆私の変わりぶりを見て自然と去っていったものだったが…モブリットは違うのかい?
そして、私の心臓は、もう………。
「…ち、ちょっと、Aの部屋に行ってくる!」
「ハ、ハンジさん…!?」
─今度は、私が逃げだしてしまった。
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氷飴(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます!(今私も調べてきたのですが、レンさんのおっしゃる通り“独占欲“って出てきました(ºωº`*))このお話を書いた時も調べていたつもりだったのですが、なぜか“執着”に……。教えていただきありがとうございます!(*´ω`*) (2020年4月25日 19時) (レス) id: 9625751614 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ネックレスって独占欲っていう意味持ってるんですよ! (2020年4月25日 19時) (レス) id: 784374d164 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - にんじんさん» 一応、両想いになった後の続きも作りたいと思っているのですが…まだ考えがまとまっていない最中だったりします(´・ω・`) (2017年12月11日 12時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - この物語はこれで終わりですか?(´・ω・`) (2017年12月10日 23時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - 京 鏡さん» そっ、そんな風に言ってもらえるなんて…思ってもみなかったよ!とても嬉しいッ!ありがとう!!頑張ります!!((o(*>ω<*)o)) (2017年11月3日 19時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷飴 | 作成日時:2017年11月3日 19時