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#140 ▽ ページ40




「浮かない顔ですね、Aさん?」


─あれから二週間後のことだった。

自室にいたのだが、私はペトラの来訪にも気づかずにぼーっとしていたようだ。

私の顔を覗き込む彼女に慌てて謝る。


『ごめん…えっと、どうかした?』


「特に用はなかったんですけど…最近Aさんが元気ないので、来ちゃいました!」


『えっ……気遣わせてごめんね。』


「もう…謝らないでくださいよ!
それより、どうしたんです?聞きますよ?」


『…えっと……』


あの日から、もう二週間。

断るわけなかったけれど、ハンジはその場でモブリットの言葉に承諾して、簡素な式を一ヶ月後に…ということが決まった。

簡素な式だというから、そんなに手伝うことはなかったが…街にハンジのドレスを見に行ったりして。

準備が進んでいくことは嬉しかったのに、楽しかったのに…その間ずっと気になってたことがある。


「…エルヴィン団長が変?」


『…うん。』


「どんな風に…ですか?」


『…た、例えば、人前なのに、らしくもなく…手を取ってくる……というか。』


「……のろけ、ですか?」


『いやっ、あの……ち、違うよ?
それだけでもらしくなかったのに、その後が変で。』


ペトラは可愛らしく『ふぅー』なんて溜息をつく。

再度私に『どんな風に?』と尋ねた。


『…書類を逆さまに読んでたり。』


「……はい?」


『インクの出ないペンを持ってたり。
珈琲に角砂糖五つも入れたり。

水零したり、あと……
やけに静かだと思ったら、座って寝てたり…。』


「……団長はどうしたんですか?」


『ね、そう思うでしょ!?』


─ペトラは腕を組んでしばらく考え込んだ後、『Aさん』と、私に向き直った。


「…あの、私達他の兵士の前では、いつもと変わらない団長なんですよ。

なので逆に、Aさんの前でだけ変…というのは、何かAさんを意識しているのでは?」


『…な、なるほど!』


「何か心当たりは…?」


『………あったら、悩んでない。』


「でも…本人に聞くのが一番いいんじゃないですか?
ということで、行ってらっしゃい!」


『えっ…今から!?』


「上手くいかなかったら聞いてあげますからっ!
ほらほら、いざ団長室へ!」


─私の自室ではあった筈なのだが、背中を押されて強制退場させられていく私。

しぶしぶ団長室へ向かうのだが、後ろからペトラが囁いた言葉を知らないまま。


「まぁ…Aさん、鈍いですから…。」


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設定タグ:進撃の巨人 , エルヴィン , リヴァイ   
作品ジャンル:アニメ
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氷飴(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます!(今私も調べてきたのですが、レンさんのおっしゃる通り“独占欲“って出てきました(ºωº`*))このお話を書いた時も調べていたつもりだったのですが、なぜか“執着”に……。教えていただきありがとうございます!(*´ω`*) (2020年4月25日 19時) (レス) id: 9625751614 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ネックレスって独占欲っていう意味持ってるんですよ! (2020年4月25日 19時) (レス) id: 784374d164 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - にんじんさん» 一応、両想いになった後の続きも作りたいと思っているのですが…まだ考えがまとまっていない最中だったりします(´・ω・`) (2017年12月11日 12時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - この物語はこれで終わりですか?(´・ω・`) (2017年12月10日 23時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - 京 鏡さん» そっ、そんな風に言ってもらえるなんて…思ってもみなかったよ!とても嬉しいッ!ありがとう!!頑張ります!!((o(*>ω<*)o)) (2017年11月3日 19時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷飴 | 作成日時:2017年11月3日 19時

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