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─とはいえ、結末が気になるんです。
少し離れた場所で立ち止まって、目が合ったモブリットに『が・ん・ば・れ』と口パクで伝える。
それが伝わったかどうかは不明なのだが、彼はヤケになったように『あぁ、もう!!』と声を上げた。
「…質問です。」
「えッ、あ、うん!なに!?」
「アンタは、人から『巨人マニア』、『人類の奇行種』やら変態呼ばわりされてますね?」
「あっ……うん、そうだね?」
「アンタ程の変人が他にいると思いますか?」
「あはははッ、いないんじゃない!?」
「そうですよね、他に誰もいませんね。
自分が好きなのは…アンタだけなんです。」
「……ッ、な、なん、なの……。」
─『はい、これ、受け取ってくださいね』、モブリットはそう言ってハンジに苺の花を渡した。
ハンジが戸惑う間も与えず、『あ、これもです、どうぞ』って、今日買った服やら雑貨やらも。
「全部、アンタ宛です。」
「えッ…ちょ、あの、これは……?
何が入ってるか把握してないけど、私に花の贈り物なんてモブリットも変わってるね…。」
「それ、枯れないそうですよ。」
「えぇッ!?花なのに…!!?
なんで!?これどうなってんのッ!?」
「…研究熱心なアンタは、食いつくと思いました。
私はまた実感しましたけど、その苺の花言葉は『あなたは私を喜ばせる』…だそうです。
残り三つも花言葉が残っていますが、それはご自分で調べてください。」
「…なんなのさ…。
泣かせたくせに、怒らせたくせに…優しくするわ嬉しくさせるわ、こんな……。」
「…はい、そうですね。」
─モブリットはハンジの頭をなでて、もう泣き始めたハンジの涙を掬い、溜息をついて言った。
「…これから、第四分隊長のハンジさんに、第四分隊副長の私が…結婚を申し込みます。
でも、アンタに拒否権ありませんからね。」
「ないのかいッ!!?」
「…アンタがいないと私が困りますから。
どんなに生き急いでも、これから何があっても、責任持ってアンタを守らせてください。
…結婚していただけますか?」
「………一つ、問題がある。」
「…なんでしょう?」
「今…私は…だっ、旦那に抱きつきたい。
…が、しかし、手が…塞がってて……困っている。」
「…それは問題じゃないですね。」
─なんて、ハンジを壊れ物に触るみたいに、優しく引き寄せたモブリットを見届けた。
周りからは拍手喝采。
式は、一ヶ月後に決まったそうな。
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氷飴(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます!(今私も調べてきたのですが、レンさんのおっしゃる通り“独占欲“って出てきました(ºωº`*))このお話を書いた時も調べていたつもりだったのですが、なぜか“執着”に……。教えていただきありがとうございます!(*´ω`*) (2020年4月25日 19時) (レス) id: 9625751614 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ネックレスって独占欲っていう意味持ってるんですよ! (2020年4月25日 19時) (レス) id: 784374d164 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - にんじんさん» 一応、両想いになった後の続きも作りたいと思っているのですが…まだ考えがまとまっていない最中だったりします(´・ω・`) (2017年12月11日 12時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - この物語はこれで終わりですか?(´・ω・`) (2017年12月10日 23時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - 京 鏡さん» そっ、そんな風に言ってもらえるなんて…思ってもみなかったよ!とても嬉しいッ!ありがとう!!頑張ります!!((o(*>ω<*)o)) (2017年11月3日 19時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷飴 | 作成日時:2017年11月3日 19時