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服屋に着くと、いつもの店員さんから『あれ?Aさんの彼氏ですか?』なんて言われた。
焦るモブリットに笑いつつ、私は『いえ!未来の義弟…になる予定です!』って答えると、店員さんは少し残念そうな顔をした。
ほら、ハンジとは姉妹ではないけれど…なんていうか、それくらい仲がいいからさ?
「これ…どうでしょう?」
『お、いいね!』
モブリットは黒色のニットセーターを手に取り、私の身丈に重ねて思い悩んでいる。
『あの…モブリット?
私と見比べない方がいいよ…ハンジは私より随分と背が高いからさ、サイズ合わないよ?』
「あっ…す、すみません。」
『お役に立てなくてごめんね?
なんせ私は、リヴァイよりも1cm…いや、0.5cmくらいかな、まだチビだから。』
「はは…リヴァイ兵長の前では言えませんね。」
『あははっ、だよね……ッ!!?』
─そう言った瞬間、物凄い悪寒。
モブリットに首を傾げられて笑って誤魔化したが、本当を言うとまだ背筋がゾクゾクしてる。
ごめんなさい、リヴァイ、と、心で謝った。
結局モブリットはその黒色のニットセーターと、藍色の温かそうなマフラーを買った。
ちなみにセーターが黒なのは汚れても目立たないから、マフラーの藍色は彼の好きな色だったかららしい。
その後は雑貨屋に向かった。
『藍色とか…青色が好きなんだ?
でも、指輪じゃなくていいの?』
彼は青い石のネックレスを見てた。
「青色とかは…ハンジさんが浮かぶんです。
…指輪、は、なくしそうだな…と。」
『あ…なるほど。
青色はさ、知性って意味があるの。
ハンジに似合ってるね。』
「Aさん…そういうのに詳しいですね。
花言葉とか、色の意味とか…好きなんですか?」
『…変でしょう?
まやかしみたいだとは思うんだけどね。』
「そんなことありませんよ?
見た目だけじゃ知ることのできない、意味や魅力があるってことじゃないですかね…。」
『あっ、ハンジのことでしょ?』
「えッ!!?
いや、そっ、そんなつもりは…ッ!」
彼は、その青い石のネックレスを買った。
私はモブリットを待ちながら、別のネックレスを見ていたら…ふと戻ってきた彼が言う。
「それ…団長に似合いそうですね?」
『あっ…お帰り。』
「どなたかが恋しそうな顔をされてましたよ。」
『名前は…翠玉だって。』
結晶型の模様をした澄んだ緑色の石は、自由の翼のマントを背負ったあなたみたいだなって。
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氷飴(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます!(今私も調べてきたのですが、レンさんのおっしゃる通り“独占欲“って出てきました(ºωº`*))このお話を書いた時も調べていたつもりだったのですが、なぜか“執着”に……。教えていただきありがとうございます!(*´ω`*) (2020年4月25日 19時) (レス) id: 9625751614 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ネックレスって独占欲っていう意味持ってるんですよ! (2020年4月25日 19時) (レス) id: 784374d164 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - にんじんさん» 一応、両想いになった後の続きも作りたいと思っているのですが…まだ考えがまとまっていない最中だったりします(´・ω・`) (2017年12月11日 12時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - この物語はこれで終わりですか?(´・ω・`) (2017年12月10日 23時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - 京 鏡さん» そっ、そんな風に言ってもらえるなんて…思ってもみなかったよ!とても嬉しいッ!ありがとう!!頑張ります!!((o(*>ω<*)o)) (2017年11月3日 19時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷飴 | 作成日時:2017年11月3日 19時