#102 病名、恋煩い ページ2
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ハンジsaid
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「……ほう。
じゃあ、エルヴィンから喋ったのか。」
「そうそうッ!
まったく、驚いちゃったよ!
『私も、やらかしたかもしれない』…なーんて!
絶妙に神妙な顔して言うもんなんだから!」
「…そうか。
エルヴィンの奴も重症だな。」
「ね〜!
病名、『恋煩い』ってね!」
─私とリヴァイは、訓練兵団の兵舎を後にして二人並んで歩いているところだった。
話題は、置いてきたAとエルヴィンのこと。
実は私は、エルヴィンに聞く前から知っていた。
あの二人が両想いであることを。
─それは、あの日、すなわちリヴァイがAに強引な告白をした日のことだ。
私はあの日、風邪をひいていたAが寝息をたてた頃、一人でリヴァイの部屋に乗り込んだ。
それはもちろん、文句を言いにね?
「リヴァイッ!!
お邪魔するよ!文句を言いにきたッ!」
「…うるせぇ、クソメガネ。」
リヴァイの部屋の扉を開けると、そこには不機嫌極まりない顔をするリヴァイがいた。
私もそれなりに不機嫌なんだけどね!!
「どういうことだい、リヴァイ!
Aにあんなことを……ッ!」
「…ハンジ、話がある。」
「なにッ!?」
腹は立っていたのだが、リヴァイが私を『クソメガネ』ではなく『ハンジ』と呼ぶのは珍しいので、耳を傾けた。
「エルヴィンのことだが……実は、アイツはAのことが好きなんだ。」
「あぁそう……って、えぇ!?」
「で、Aだが……」
「Aもエルヴィンが好きなんだよ!?
でもッ、Aいわく…エルヴィンはマリーさんっていう女性が好きだから…って。」
「…その女のことは知らねぇが。
だが、俺だって、Aがエルヴィンを好きなことくらいは知っている。」
「私は最近知ったばっかりだよ!?」
「…テメェが鈍いんだろうが。
Aの様子を見ていりゃ、嫌でも分かる。」
「……それで?
リヴァイも、Aのことが好きなんでしょ?」
─私が言うと、リヴァイは舌打ちをする。
もう、相変わらず怖いなぁ。
仕方ないじゃないか、本当のことだろう?
「…チッ。
エルヴィンの意思はともかく、俺はAが幸せでいるのならそれでいい。」
「……つまり?」
「俺はエルヴィンを揺さぶる為に、Aに迫る。
…協力しろよ、クソメガネ。」
─私はリヴァイの言葉に、思わず息を呑む。
それは、不器用で鈍感な私達調査兵団の団長と、私の親友との幸せを願う意思だった。
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氷飴(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます!(今私も調べてきたのですが、レンさんのおっしゃる通り“独占欲“って出てきました(ºωº`*))このお話を書いた時も調べていたつもりだったのですが、なぜか“執着”に……。教えていただきありがとうございます!(*´ω`*) (2020年4月25日 19時) (レス) id: 9625751614 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ネックレスって独占欲っていう意味持ってるんですよ! (2020年4月25日 19時) (レス) id: 784374d164 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - にんじんさん» 一応、両想いになった後の続きも作りたいと思っているのですが…まだ考えがまとまっていない最中だったりします(´・ω・`) (2017年12月11日 12時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - この物語はこれで終わりですか?(´・ω・`) (2017年12月10日 23時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - 京 鏡さん» そっ、そんな風に言ってもらえるなんて…思ってもみなかったよ!とても嬉しいッ!ありがとう!!頑張ります!!((o(*>ω<*)o)) (2017年11月3日 19時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷飴 | 作成日時:2017年11月3日 19時