#101 また目を見れない ページ1
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Asaid
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『あははは…。
やらかしちゃったなぁ…。』
─ごしごしと目を擦りながら、一人兵舎の廊下を歩く。
戸惑った表情のエルヴィンが目に焼きついていた。
…まぁそりゃ、そうなるよね。
急にキスされて、栞を渡されて…最後の最後に普通を装って、『団長』だなんて。
『はぁ…。』
溜息をつきながら、自室の扉を開く。
するとその瞬間、
「お帰りッ!Aッ!!」
と、いきなり至近距離にハンジが。
『うわぁぁッ!?』
「Aッ、待ってたよ〜!!」
『ど、どうしたの、ハンジ!?』
「とぼけちゃって〜!
どうだった!?ねぇ!上手くいった!?」
『な、なんのこと……』
「……おい、クソメガネ。
上手くいったように見えるのか?」
『あ、リヴァイ。』
─よくよく見ると、私の部屋にはハンジだけじゃなくリヴァイも…ちっちゃくて気づかなかったな!
…だなんて思っていると、
『い、いひゃい!はなひて!』
「テメェ…俺は優しいからな、今何を考えていたか……なんてことは聞かないでやる。
だが…なんでお前が泣いている?」
頬を引っ張られるのは相変わらず痛いが、リヴァイは別れた時よりも悲しそうな顔をしていた。
そんなリヴァイの的をついたような言葉に、思わずまた、堪えていた涙が溢れてきた。
「…A?
リヴァイ、どっ、どういうこと?」
「……俺が知るか。
おい、A、何があった?」
『…あははっ。
ちゃんと、吹っきってきただけだよ!』
「……えッ!?」
「…は?」
─私が言うと、二人共驚きを隠せない様子で。
私が首を傾げていると、ハンジが『待って待って!話が読めない!!』と私を遮った。
「…どういうこと?A?」
『……え?
どうもこうも、そのまんまの意味で…』
「A、エルヴィンは何も言わずか?」
『…あぁ、そういえば、エルヴィンの話ってなにか聞かないで帰ってきちゃったや。』
「……あ?」
「……え!?」
─その瞬間、呆れた顔で『はぁ』と深い溜息をつくリヴァイと、『バカなの!?アホなの!?』と声を上げるハンジ。
え?どっちが?私が??
『あ、あの…ハンジ?リヴァイ?』
「…バカでもアホでもどうでもいい。
何をしてやがる、エルヴィンは。」
「ホントだよ〜!!
何をしてるんだよ、あのアホッ!バカッ!」
『あ、あの……?』
─私はなにがなんだか分からなかったのだが、リヴァイの溜息とハンジの罵倒は続いた。
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氷飴(プロフ) - レンさん» コメントありがとうございます!(今私も調べてきたのですが、レンさんのおっしゃる通り“独占欲“って出てきました(ºωº`*))このお話を書いた時も調べていたつもりだったのですが、なぜか“執着”に……。教えていただきありがとうございます!(*´ω`*) (2020年4月25日 19時) (レス) id: 9625751614 (このIDを非表示/違反報告)
レン(プロフ) - ネックレスって独占欲っていう意味持ってるんですよ! (2020年4月25日 19時) (レス) id: 784374d164 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - にんじんさん» 一応、両想いになった後の続きも作りたいと思っているのですが…まだ考えがまとまっていない最中だったりします(´・ω・`) (2017年12月11日 12時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん - この物語はこれで終わりですか?(´・ω・`) (2017年12月10日 23時) (レス) id: 1018656ff9 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - 京 鏡さん» そっ、そんな風に言ってもらえるなんて…思ってもみなかったよ!とても嬉しいッ!ありがとう!!頑張ります!!((o(*>ω<*)o)) (2017年11月3日 19時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷飴 | 作成日時:2017年11月3日 19時