#10 人類最強も寝込むもの ページ10
*
『うぅ…まさか兵長が埃アレルギーだったなんて…』
「……おい、なんでテメェが泣くんだ」
『だって……昨日の時点で私が気づいていたら、こんなことにならなかったかもしれないのに！』
「……バカか、A」
ベットに横たわる兵長に頭をなでられる私。
今はそんな優しさが辛い、痛い、今優しくされるべきはあなたの方なのに。
悔しいから私も兵長の頭をなでてみようと、そんなあなたの額に触った時だった。
『…あっつ！？』
「……あ？」
『兵長、額がすっごく熱くなってます！
熱です、今度こそ熱ですよ…どうしよう……！』
「…放っときゃ治るだろ。」
『ちょっと…私、氷取ってきますから！
待っててくださ……兵長…？』
「……行くな」
『で、でも…あの……』
そんな虚ろな目をして、僅かに震えながらも私の腕を掴むその手を、振り解けるわけがない。
いつもは力強いその手が弱りきっているのに……私には離れられるわけがなかった。
『……います。
だから、安心して休んでください』
「……あぁ」
私の言葉にホッとしたような表情を見せた兵長が、緩やかに目を閉じていくのを見ていた。
しばらくは手を握って傍にいた。
けれど、次第に呼吸が荒くなっていく兵長に焦り、そっと手を離そうとした時だった。
静かに扉が、コンコンコンとノックされた。
「…A、兵長は大丈夫…？」
『ペ、ペトラ……』
「なっ、なんで泣いてるの…どうしたの？」
『……私、バカだった』
「…どうして？」
幸いペトラが持ってきてくれた氷を、袋に入れて布で包み、兵長の額へとゆっくりあてた。
すると少しだけ楽になった呼吸に安堵し、また私の目から涙が出たのが…どうしてか情けなくって。
『……兵長だから大丈夫だと思ってた。
昨日風邪だと思った時も、人類最強だって謳われる兵長だから…すぐ治ると思った。
人類最強だからって…人間なのに、兵長がこんな風になるまで……私……』
「……A……」
『…ごめんなさい、兵長』
手を繋いだまま、兵長に謝った。
ハンジ分隊長達がさすがに謝りに来たが、兵長は「移すかもしれんから帰せ」と言い、そのまま３日寝込んだ。
やっぱり兵長は優しい。
あなたを誰よりも人類最強扱いしていたのは…もしかしたら、私だったのだろうか。
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氷飴(プロフ) - みかんさん» 他の作品も見ていただけていたんですか…！？本当に嬉しいです、頑張ります！ありがとうございますッ！(*･ω･)*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2018年3月3日 11時) (
レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 氷飴さん» 分かりました！氷飴さんの作品どれも好きなので頑張ってください (2018年3月3日 10時) (レス) id: 37c35365e5 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - え、わ、う、嬉しいです！ありがとうございます！！CSSは、ぷぅま様というユーザー様が作られたものを、お借りしています！ (2018年3月3日 1時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - とっても面白いです！応援してます！このCSSって自作ですか？自作でないのなら教えてくださると嬉しいです (2018年3月3日 1時) (レス) id: 37c35365e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷飴 | 作成日時：2018年3月3日 0時
