#12 お取り込み中 ページ12
*
リヴァイside
*
朝、目覚めた俺の前で、ベットの傍らにAが突っ伏せるように眠っていた。
怠気に苛まれる意識の狭間で、お前が夜通しここにいてくれたことを憶えている。
「…おい、A」
『んんん……』
「起きろ……寝るならベットで寝ろ」
『…も、ちょ…っと、寝かせ、て……』
「……。
起きてんじゃねぇか…Aよ」
まだ可愛気な寝顔を眺めているのもよかったが、俺の都合上で予定変更してやる。
もぞもぞ動いてるお前を見ていたら、自分の中に燻ってくるのは……ほら、あれだ。
「…好きな奴ほど苛めたいとは、よく言ったものだな」
布団の上に埋もれたがるお前の、耳元に吐息を吹きかけ、肩を震わせたお前に囁く。
「おい…襲っちまうぞ、起きねぇか」
『……ッ！！？
お、おはようございます、リヴァイ兵長！！』
「……随分と早かったな」
まるでつまらねぇとでも言いた気な目で、俺はお前を見ているのかもしれない。
だから…もう少しくらい、この茶番もどきに付き合ってくれてもいいんじゃねぇか？
真っ赤になって慌てているAの腕を引き寄せ、ベットの上に組み敷いた。
『……っ、へ、い…ちょ…？』
「…いい眺めだ。
顔が赤いようだが……気分はどうだ？」
『…あっ、あの……えっと！
お、起きましたよ、私…起きてます！！』
「あぁ……だから、押し倒してるだけだろ」
『かっ、からかわないで…ください……』
「……」
あぁ…こんなもん、不覚でしかねぇか。
紅潮し早くも潤んだ目で睨まれたって、逆効果だってことを……分からねぇんだな。
「…お前がいいなら、俺はその気だがな」
言葉にもなってねぇ声を漏らすお前の口を、塞いでやろうかと思った時。
「おはよう！リヴァイ！
モブリットにまた説教されるから、ちゃんと謝りにき……ッ、朝からなにしてんの！？」
「……チッ。
テメェには朝でも、俺には晩だ」
「えっ…私のAから離れよう！？」
「クソメガネ、テメェのじゃねぇ」
『リヴァイ兵長、あのっ、離れ……団長！！？』
「……あ？」
Aがつまらねぇことを言うから、その目線を辿れば、クソメガネの後ろに鬼がいた。
「おや、リヴァイ……お取り込み中かい？」
「…あぁ、お取り込み中だ。
分かってるなら出て行ってもいいと思うが」
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
氷飴(プロフ) - みかんさん» 他の作品も見ていただけていたんですか…！？本当に嬉しいです、頑張ります！ありがとうございますッ！(*･ω･)*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2018年3月3日 11時) (
レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 氷飴さん» 分かりました！氷飴さんの作品どれも好きなので頑張ってください (2018年3月3日 10時) (レス) id: 37c35365e5 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - え、わ、う、嬉しいです！ありがとうございます！！CSSは、ぷぅま様というユーザー様が作られたものを、お借りしています！ (2018年3月3日 1時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - とっても面白いです！応援してます！このCSSって自作ですか？自作でないのなら教えてくださると嬉しいです (2018年3月3日 1時) (レス) id: 37c35365e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：氷飴 | 作成日時：2018年3月3日 0時
