#11 「紅茶飲みてぇ」 ページ11
*
「A、ずっとここにいるの？」
『うん……兵長が心配だから』
「…そうだよね。
あんまり思い詰めちゃダメよ」
なんだかんだ、ペトラも優しい。
ペトラが自分の部屋に戻っていくのを眺めながら、パタンと静かに閉まった扉の音。
少し汗ばんだ繋いだ手をそのままに、１時間前よりはずっと楽そうになった兵長。
「……んっ……」
『兵長…どうしたんですか？』
「……ッ、んん……」
『リヴァイ兵長……？』
少し安心できたところだったのに、もぞもぞ、苦し気に寝返ろうとしている兵長。
なんだか可愛いという本音は胸の奥に、私がまた焦り始めた頃…
兵長は空いた手でシーツを掴み、目を強く閉じて、低くて掠れた声で呟いた。
「……こう、ちゃ…飲みてぇ……」
『………。
どれだけ紅茶が好きなんですか……』
「…んん…ッ」
もぞもぞ、もぞもぞもぞ。
寝返ろうとしたりシーツを掴んだり、呻き声が出たり、口を強く結んだり、目を固く閉じたり。
しまいには少し起き上がらせた頭がパタンと落ちて、シーツに皺を寄せまた呟く。
「……こ、う…ちゃ……」
ダイイングメッセージじゃないんですからね！！
紅茶なんて元気になったら作りますから、とんでもない状態でなんてこと言うんですかっ！？
『うぅ……兵長が可愛い……』
「……ッ、こー、ちゃ……」
『ッ…！もういっそ紅茶になりたい…っ』
紅茶さん、あなたは幸せ者ですね。
こんなにリヴァイ兵長に想われているなんて…羨ましいので立ち位置譲っていただけませんか。
思わずお布団をパフパフ叩きそうになりながら、そんな願望とやり場のない破壊力を必死に堪える。
すると、そんな時だった。
「……A……」
『…ッ！！？』
ダイイングメッセージから一変、眉間が穏やかになった兵長が私の名前を呼んだ。
そして、私の手をぎゅっとした、ずっと握っていたままだったのにぎゅっとした。
『…っへ、へい、ちょ…ッ！』
今度こそ我慢できなくなって、兵長の眠るお布団をバフバフ叩いてしまった。
もう耳は熱いし嬉しいし、『兵長可愛い！！！』って叫びたくなるのを堪えるが、バフバフ。
突如のことにクワッと目を覚ました兵長が、「何事だ」という目で私を見る…うん、当然だ。
「……どうした」
『兵長……大好きです』
「…あ？
なんだ、今更……俺もだ」
*
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氷飴(プロフ) - みかんさん» 他の作品も見ていただけていたんですか…！？本当に嬉しいです、頑張ります！ありがとうございますッ！(*･ω･)*_ _)ﾍﾟｺﾘ (2018年3月3日 11時) (
レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 氷飴さん» 分かりました！氷飴さんの作品どれも好きなので頑張ってください (2018年3月3日 10時) (レス) id: 37c35365e5 (このIDを非表示/違反報告)
氷飴(プロフ) - え、わ、う、嬉しいです！ありがとうございます！！CSSは、ぷぅま様というユーザー様が作られたものを、お借りしています！ (2018年3月3日 1時) (レス) id: 885b609761 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - とっても面白いです！応援してます！このCSSって自作ですか？自作でないのなら教えてくださると嬉しいです (2018年3月3日 1時) (レス) id: 37c35365e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷飴 | 作成日時：2018年3月3日 0時
