【H×H】少しだけ可笑しい彼氏【キルア】

No.21 別人格 ページ22

突然現れたアニタさんは、キルアを睨みながらもそう言った。少し頬が赤い。キスされてたとこを見られたのだろうか。恐らくだが、｢私が殺した｣というのは嘘だと確信したのだろう。私に向かっての殺気が無くなった。







キルアside





本気を、出そうとしてしまった。あのジーさんを殺そうとしちまってた…オレは…オレは……




"殺人鬼のオレを受け入れてくれるやつなんて、アイツしかいねーよ。だから殺そう"






うるせーよ！！多分、ゴンも受け入れてくれる。Aを好きでいてるのは少し憎たらしいけど、あいつは…あいつは……


"友達なんて必要ない。アイツだけで十分だ"





Aだけ…？Aダケ……？ソウダ、オレにはあいつがいてくれたらそれで………







こうやって、オレはオレじゃなくなる。いつもそうだ

オレは別の"オレ"に乗っ取られる。"オレ"もAが大好き。でもダメなんだ。"オレ"だとAを傷つけてしまう。酷い束縛と愛情を与えてしてしまう












｢仕方ねーぜ？｣




遠くから、男の声が聞こえる。試しに声のした方を歩いてみると、タンクトップ姿のAが他の受験生に絡まれていた。

ああ、お前は"オレ"がいないと全くダメだ。別のヤツに食べられちまう



"オレ"はAに絡んできた男の腹に魔手を貫通させ、男の腹を抉った魔手を抜き取り、Aの元へすぐに駆け寄って長袖やジャケットを着させる。

Aの傷を見ると不快になる。"オレ"以外のヤツが汚い手でAに触れたんだ。今すぐソイツを殺してやりたい。Aを苦しめたヤツを骨まで焼いて殺してやりたい。"オレ"を受け入れてくれたAを傷つけたヤツは全員殺す。

そう昔から決めていた




ジャケットを着させた後、"オレ"は愛おしい彼女の唇にキスをする。

そういえば、A。"オレ"との約束破ったよな。

"オレ"は、彼女に深いキスをした。案の定、彼女は顔を真っ赤にさせながらも抵抗しようとするが、気持ちいいキスに溺れて力が出なかった。背後に気配がしている。恐らくアニタの野郎だろう。だけどやめてやらない






Dキスを終えた後、Aの顔を見ていると彼女はリンゴのように顔が赤くなっていた。今までそう言う表情を見ていなかったから、"オレ"の中の理性の糸がはち切れそうになったが、ここは2人きりの場所では無いので、行為はやめておいて、代わりにキスを1回だけした。




｢"オレ"に何の用だ？｣

No.22 異議申し立て→←No.20 復讐心

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す